昨日10日ぶりに十勝に帰ってきた。
その十勝帯広空港の到着ロビーには、実寸大のばん馬像が在る。
この像は報道ステーションの特集で制作した実寸大の「ばん馬」だという。
高さ2m以上あるこの像は、「帯広ばんえい競馬」において現在も活躍している、北海道の農耕馬「ばん馬」の像である。
明治以来の北海道の開拓農民の貴重な労働力であった「ばん馬」も今では、一部の好事家を除いては機械に取って代わられている。
この空港の「ばん馬像」は、ほぼ実寸大だという。
とても大きく、筋骨隆々としているが、その眼は優しい。
太古以来人間の手がほとんど入らなかったかつての蝦夷地北海道で、開拓者が原生林を伐採したり耕作地化をする際に、この「ばん馬」はたいそう役に立ったものだと開拓者の子孫たちが云う。

帯広空港近くにこの「ばん馬」専用と思われる牧場が在る。
その「ばん馬牧場」が、年々規模を広げ飼育する馬の数も増やしてきている。
空港への送迎に来るたびに、私たちはその大規模化に遭遇している。
聞くところによると帯広のばんえい競馬も民営化を果たし、経営は安定して来ているという。喜ばしいことである。
かつて北海道の入植者にとって貴重な労働力であり、家族の一員でもあったに違いない大切な「ばん馬」がその役割を変えて、生き残っていることを嬉しく思う。
馬という動物はとても賢く、飼い主にもなつくという。
そのばん馬牧場に、最近観光客向けと思われる商業施設が新たに加わっている。
どうやら飲食施設があるようだ。
近いうちに訪れたいものだと、迎えに来てくれた家人とそう話し合った初夏の十勝である。