春丘牛歩の世界
 
先週から、「行者ニンニク」が採れる様に成り、我が家の食卓にも乗るようになった。
行者ニンニクが採れる様に成ると、今年の春がやって来た事を実感する。
これまでの私の経験では「行者ニンニク」が生えてきてから、雪が降ったことは無いから、である。
 
 
      
 
 
野生の昆虫や動物たちが作る巣の位置で、颱風の影響を早い時期に推測できることがあるが、自然界の生き物たちは彼らなりのセンサーで、天候や自然現象を察知する能力がある。
そんな事から私は、「行者ニンニク」が我が家の林に生え始めることを、季節の到来のメルクマール(指標)にしているのである。
 
 
      
 
       
         
 
     
 
 
    記事等の更新情報 】
*4月19日 :「コラム2024」に、「青い春」と「チャレンジ虫」を追加しました。
*3月25日:「相撲というスポーツ」に「新星たちの登場、2024年春場所」を公開しました。
*2月8日:「サッカー日本代表森保JAPAN」に「再びの『さらば森保!』今度こそ『アディオス⁉』を追加しました。
*01月01日:本日『無位の真人、或いは北大路魯山人』に「無位の真人」僧良寛、或いは・・を公開しました。
これにて本物語は完結しました。
12月13日:  『生きている言葉』に過ぎたるはなお、及ばざるが如し」を追加しました。
*9月29日:「食べるコト、飲むコト」 に「バター炒め二品 」を追加しました。
*9月27日;「物語その後日譚」に「奥静岡の鶏冠(とさか)山」を、追加しました。
 
 

  南十勝   聴囀楼 住人

          
               
                                                                  

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         2024.05.01
              牛歩
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
   
      
 
このページはサッカー日本代表に関する私の想いや感想を綴るページです。サッカー日本代表に関心のある方は、お時間のある時に覗いてみてください。
今日からこのコラムは「森保JAPAN」にと名称を変更します。(2019.10.29)
 
2020年以降このコラムは更新していません。私は森保監督を見限っていますので・・。日本代表に関しては「サッカー日本代表-W杯への道-」で言及していますので、ご興味のある方はそちらを御覧ください。
 
      ㉕.「東アジア選手権」(2019.12.19)
   ㉔.「親善試合:ベネズエラ戦(2019.11.19)
      ㉓.「W杯二次予選:キルギス戦(2019.11.14)
   ㉒.「W杯二次予選モンゴル戦(2019.10.10)&タジキスタン戦(同10.15)」
   ㉑.「W杯二次予選:ミャンマー戦(2019.09.10)
   ⑳.「親善試合:パラグアイ戦(2019.09.05)
 
   ⑲.「コパアメリカ:エクアドル戦(2019.06.25)
   ⑱.「コパアメリカ:ウルグアイ戦(2019.06.21)
   ⑰.「コパアメリカ:チリ戦(2019.06.18)
 
   ⑯.「親善試合:コパアメリカ準備戦(2019.06./05、09)」
   ⑮.「親善試合:ボリビア戦(2019.03.26)
   ⑭.「親善試合:コロンビア戦(2019.03.23)
 
   ⑬.「アジアカップ:総括(2019.02.04)
   ⑫.「アジアカップ決勝:カタール戦(2019.02.01)」.
   ⑪.「アジアカップ:イラン戦 (2019.01.28)
   ⑩.「アジアカップ:ベトナム戦 (2019.01.24)
   ⑨.「アジアカップ:サウジアラビア戦 (2019.01.21)
   ⑧.「アジアカップ:ウズベキスタン戦 (2019.01.17)
   ⑦.「アジアカップ:オマーン戦 (2019.01.14)
   ⑥.「アジアカップ:トルクメニスタン戦 (2019.01.09)
 
   ⑤.「親善試合:キルギス戦 (2018.11.20)
   ④.「親善試合:ベネズエラ戦 (2018.11.16)
   ③.「親善試合:ウルグアイ戦 (2018.10.16)
     ②.「親善試合:パナマ戦 (2018.10.12)
   ①.「親善試合:コスタリカ戦 (2018.09.11)
 
         
 
 

   再びの「さらば森保!」今度こそ「アディオス

 
去る2月3日サッカー日本代表の「アジアカップ:カタール大会」が終了した。
アジアの強国「イラン」に1-2で敗れたのである。
 
この試合もまたストレスの多い試合であった。
今回も相変わらずの選手「個人技頼み」の試合展開で、「チームとしての約束事」「チームとしての共通意識の未熟さ」といった点ばかり目について、森保監督のサッカー日本代表チームのマネジメント能力の低さは、成長の跡が見い出せなかった。
 
 
試合後にボランチの守田選手がコメントしていたとおりである。
同様のコメントは「東京オリンピック」の時は田中碧選手が語っており、「カタールW杯アジア最終予選」のさなかには、吉田キャプテンが語っていた。
 
森保ジャパンは一貫して「個人技」での事態打開を標榜し、「チームとして」対戦相手に「どう戦うか」の「決め事」や、「役割分担」が殆ど無いのである。
その事に選手たちはずっと苦しんでいた。
にも拘らず監督やコーチ陣は具体的な対応を指示もせず、そのための練習も積み重ねて来なかった様だ。
 
そんな不安やモヤモヤを抱えたまま戦っていた選手達が、その想いを吐き出すのは試合に負けて、これ以上監督たちの指示を受けなくなった時に、初めて本音をぶちまけるのだ。
 
 
それに対し「ベトナム」や「イラク」「イラン」の闘いにおいて確認出来たように、対戦国の監督は事前に日本代表の事をかなり詳しく調査・分析し、日本代表の弱点を研究し具体的な対応戦術をチームとして考え、準備して来た。
チーム戦術として、日本と戦う際の「共通意識」や「どの様に戦って攻めるのか」を構築し、メンバー間で共有できていたのである。
 
その象徴が「ロングスローの多用」であり「DF板倉サイドの、継続的な集中的攻撃」であった。
 
 
ベトナムのトルシエ監督を始め、日本を苦しめたチームは、いずれも組織としての戦術が徹底しており、チームで戦っていたのに対して、
森保監督の指揮する日本代表チームは、いつまでたっても「個人での打開頼み」「選手任せ」の闘いに、終始していたのだった。
 
この事は今回に限らず、彼が監督に成ってからの6年間ずっと続いて来た。
森保一という監督は「対戦チームの調査」や「分析」が不十分で、それ以上にその分析に基づく「チーム戦術」の構築が出来ない、インテリジェンスの低い古いタイプの残念な監督なのである。
 
その彼は大きな大会の前ではいつも「優勝を目指す」とか「金メダルを目指す」とか、大口を叩いているが、実際には
「準優勝:2019年アジア杯」「4位:2021年東京オリンピック」「BEST16 :2022年W杯」「BEST8 止まり:2024年アジア杯」
の結果しか、彼には残せていない。
 
口先だけで威勢のいい言葉を吐くだけで、対戦相手に向けた「調査」「分析」や「対応戦術」を構築できない監督は、単なる「口舌の輩」に過ぎないのである。
 
 
要するに森保氏は「敵を知ろうともせず」、「自らのチーム及び自分自身をも知ろうともしない」残念な監督なのである。
 
彼の能力の限界は今回に限った事ではなく、「ロシアW杯」以後の6年間私達は、ずっと見せられてきたし、何よりも選手たちが身をもって経験して来たのであった。
 
その残念な事がこれまでずっと続いて来たのは、何よりもその「残念な監督」を6年間任せて来た、「JFA首脳陣」の問題なのである。
 
その元凶田島幸三会長が今春退任する事は、私達日本サッカー代表を愛する者たちにとっては朗報だ。
田島幸三氏にはJFAの会長退陣の道連れとして、ぜひとも森保氏も連れて行って欲しいものである。
 
新しいJFAの会長に、元ガンバ大阪の監督を務めていた宮本氏が就任するのは、喜ばしい事だと、期待もしている。
 
彼がこれまでの森保監督の実績やチーム作りをどう分析し、これからサッカー日本代表をどこに導いていくのか、注視して見守っていきたいと思っているところである。
 
 
 
            
 
 
 
尚、下記の諸コラムはこれまでの6年近くの間、私が森保氏の「監督としての能力」に関して、感じてきた事を書き綴ったコラムの一部である。
 
各大会における「森保監督」のチームマネジメントについて、個々の試合についてその都度書き連ねて来たコラムである。
 
ご興味のある方は、覗いてみて頂けると幸いである。
 
 
     1.2021年8月8日 「東京オリンピック総括」より
     2.2022年12月10日 「カタールW杯:対クロアチア戦」より
     3.2019年2月4日「アジアカップ総括」より
     4.2019年2月1日「アジアカップ:対カタール戦」より
 
 
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   -  2021年8月8日「東京オリンピック総括」ー の転載
 
 
一昨日のオリンピック三位決定戦は、残念なことに1-3でメキシコに負けてしまった。
私自身はこのオリンピックの戦いに過大な期待を抱いていたわけでは無かったので、さほど落胆はしていない。
むしろいくつかの点で収穫があったので、その収穫にしっかり向き合えばそれなりに好い経験をした、と思う事もできる。
 
さてそのよい経験の筆頭は「森保監督の評価が冷静に出来る」という事である。
とは言っても私自身の彼のサッカー監督としての評価は、既に2019年の「アジアカップ」「コパアメリカ」で定まっており、今回のオリンピックでもその評価が追認できたに過ぎない。
 
結論からいえば彼には日本代表の監督は務まらない、という事である。
その理由は先ほどの戦いのそれぞれの総括でも行ってきたように、以下の点に集約することが出来る。
 
 
①彼は「短期間にタイトルを争う大きな戦いの仕方を、理解していない」。
それは
「選手の疲労蓄積への配慮が足りない」
「ターンオーバー制という発想を有していない」
といった点で明らかである。
 
今回のオリンピックでは中二日というスケジュールで、一週間に3試合ずつを繰り返すことに成った。これは短期集中型のカップ戦の宿命である。
 
そして真夏の暑さ真っ盛りの時節に繰り広げられる週3回の戦いに、30代のオーバーエイジが最終戦でガス欠をし、凡ミスを繰り広げてしまった。
それが今回の敗因の大きな要因の一つであった。疲労蓄積によるDF機能の低下である。
 
そしてそれがメキシコの得点に直結したのは、観ての通りである。吉田も遠藤もかなり疲弊していたのはTV越しでもはっきりと見て取れたので、間近で接していた監督はもっと感じてたはずである。
 
しかし彼はその点への対策をとっていない。「アジアカップ」や「コパアメリカ」でも同様であった。彼はずっと同じ選手を使い続ける傾向があるのだ。そこには選手の疲労蓄積への配慮がない、のである。
 
今回もまた森保監督はこの点へのマネジメントが考慮されてなかった。
あらかじめ今回のスケジュール、即ちオリンピックという短期集中型カップ戦であることが判っていたにも拘らず、それへの準備やプランが欠如していたのである。
 
 
森保監督は中5日や6日でスケジュール通り実施される「リーグ戦」での戦い方については、それなりに結果を残しているが、短期間に集中して行われる「カップ戦」での戦い方を知らない、またはそういう発想を持っていない、即ち短期集中型のカップ戦で結果を出すためのマネジメント力を有していない、残念な監督なのである。
 
従ってW杯という大きな大会で、短期集中型のカップ戦を戦い結果を出すための方策やマネジメント力を有していない、こういった大会には不向きな監督なのである。
 
もちろんW杯の一次リーグに出場することが目的であれば、それで済むかもしれない。
しかし一次リーグを突破するのは最低ラインの目標で、BRST8、あわよくばBEST4への進出を期待する、私のような人間にはこのレベルの監督では満足しない。
 
何故ならばそのレベルはW杯に出場すること自体が目的の、20年近く前の代表監督への期待値に過ぎないのである。
 
 
②彼は「チームについての戦い方や、約束事への発想を有していない」
ここ数年間日本のDF陣の成長は著しく、今回のオリンピックにおいてもリーグ戦からスペイン戦までは、かなり守備は安定していたし、実際好く機能もしていたので安心してみていることが出来た。
 
「吉田」「酒井」「遠藤」「板倉」「富安」が安定していたからであり、GK「谷」もそれなりに機能していた。前線でのFW林の守備面での貢献も大きかった。
最終戦のメキシコ戦で3失点を食らったのは①の理由で疲労の蓄積が30代のDF陣を襲ったからであった。
 
ところが攻撃陣については、残念な結果しか残していない。
チームとしての戦い方即ち「チーム戦術」が構築されておらず、チーム内でその戦術が共有されていないのである。
 
一次リーグの対戦相手では「堂安」「久保」「前田」「林」といった選手たちはそれなりの結果を出せていたし、彼らの個人技はそれなりの水準に達していたのは間違いない。
更に幾つかの場面では、目を見張るプレーが少なからず見受けられた。
 
 
しかしチームとしての攻撃スタイルというか、攻撃時のチームとしての約束事が殆ど感じられなかったのである。それは個人の技術で打開しDFの壁を突破することが、監督から指示され期待されている、としか思えない攻め方であった。
 
即ち森保監督のオリンピックチームには攻撃時での「チーム戦術」が無いか、殆ど共有化されていないのである。
 
その限界が感じられたのがBEST8の「ニュージーランド戦」以降である。
 
背が高く頑丈で屈強なDF陣の待ち構えるゴール前に、個人技で持ち込んで突破を図ろうとしても限界があり、無理があるのはサッカーをある程度理解している人間であれば、容易に判る事である。
 
そしてこの戦い方は日本代表が世界の強豪国を相手に戦って、何年も苦汁を味わってきた闘い方であり、更に経験値として日本代表の弱点や限界としてDNAの中には組み込まれているはずである。
 
 
そんな中でそれを打破し、突破することが出来たのはやっと前回のロシア大会であった。
即ち「乾-香川が奏でたシルキーな連係プレー」がそれであり、私たちはそのプレーに光明を見出すことが出来たのであった。長いトンネルを抜け出た感を抱くことが出来た。
 
更にはロシア大会が行われた2018年秋、新たに招集された日本代表メンバー「大迫-中島-南野―堂安の創り出すアタッキング4」もこの延長に連なるモノであった。
 
更にこの時の攻撃スタイルは、長い間待たれていた「日本的な攻撃スタイル」の典型であり、そのスタイルの確立に向けた第一歩と期待が高まった。
 
小柄な日本人たちが繰り広げる、俊敏できめ細やかな連続プレーを息の合ったメンバーによって展開させられた時には、大きくて頑丈なDF陣であっても成す術なく翻弄されてしまうのである。
ロシア大会での「ベルギー戦」が良い例であった。
 
世界屈指のDF陣が乾と香川の織なす連携プレーに翻弄されていたのは、記憶に新しい。
こういったプレーが、日本人の身体能力や国民性に合致した日本が目指す「日本的な攻撃スタイル」なのである。
 
 
ところが2018年秋、ロシア大会の後に短期間観ることが出来た、前述の「アタッキング4」は当時の日本代表の森保監督が作り上げたものではなかった。
 
たまたま招集された「大迫―中島-南野―堂安」のユニットが、偶然創り挙げたものに過ぎなかったことが半年もかからずに判明した。
 
中島が負傷欠場した「アジアカップ」ではこの手のユニットが存在していなかった事や、「コパアメリカ」においても確認出来なかった事から、2018年秋のユニットは森保監督のプランや戦術で無かった事はあきらかである。
 
 
「アジアカップ」や「コパアメリカ」で展開された攻撃スタイルの中心は、「個人の能力=個人技」による突破であったのだ。「チームとしての約束事」や「チーム戦術による攻撃」は殆ど見ることが出来なかった。そしてそれは今回のオリンピックも同じであった。
 
従ってこの監督には「日本的な攻撃スタイル確立」を期待することはできないし、そのような発想を彼は持っていないのである。
2018年秋の「アタッキング4」の展開は、4人の招集メンバーによって偶然もたらされたものであったために、初めの3・4か月で消えて行ったのである。
 
 
今回のオリンピックでも確認出来たように、森保監督は個人の「技術」や「突破力」で得点することを期待し、標榜している監督であるのだ。
 
その攻撃スタイルではアジア予選を突破することは出来ても、W杯本戦で欧米強豪国の組織された屈強なDF陣を翻弄することも、崩して得点をゲットすることも難しいことは明らかである。
それはロシア大会以前の日本代表の戦い方を意味し、一次リーグ突破がせいぜいでそれ以上前には進めないのである。
 
森保監督はロシア大会やアタッキング4が培ってきた、「日本的な攻撃スタイル」に対する理解度が低く、その戦術への意識が高くないのである。
攻撃時において「チーム戦術」を志向していない残念な代表監督なのである。
 
それはとても残念なことであるし、日本代表監督に求められ期待されている能力ではない、のである。
何故ならばこれまで彼が展開してきた戦い方では、過去の失敗を繰り返すばかりでかつての日本代表に引き戻ることであり、その殻を打ち破って新しいステージに登る、という日本代表の目指すべき方向とは、相いれないからである。
 
従って森保監督には今回のオリンピックの敗退の責任を負って、代表監督を退任すべきであろうと私は想っている。
 
 
                     
 
 
 
若しこれからも尚、日本代表監督を彼に続投させるとすればそれは、日本サッカー協会首脳陣のロシア大会の成果に対する分析能力が低いことや、今後の日本代表の到達すべきビジョンが見えていないことを意味する。
 
「これから50年以内に、日本代表をW杯で優勝させたい」というビジョンを持ち、それを掲げるのであれば、STEPupに繋がる計画を練り上げ、その目標に応じた課題を明らかにし、それに沿ったアクションを起こさなければならない、のである。
 
それは日本の全サッカーファンに対する、日本サッカー協会の責務なのである。
 
 
現在の日本サッカーの立ち位置を考えれるならば、
 
「世界大会で戦う事の出来る能力を有した」監督
「―日本的な攻撃スタイルの確立―を実現できる」監督、
「世界のサッカー強豪国を相手に、勝ち抜ける戦い方を知っている」監督
 
であるかどうかが監督選考の際の、大事な評価や選択の基準に成るのではないかと私はそう想っている。
 
 
今後4・5年したら経験を積んだ長谷部あたりが、その任務を担ってくれることは大いに期待出来ることであるが、それまでのつなぎ役を委ねる監督は、しっかりした評価基準や選択基準により撰び抜き、明確なビジョンに基づいてセレクトするのが、日本サッカー協会の仕事なのではなかろうか、と私は期待している。
 
そしてそのつなぎ役は、残念ながら森保氏では務まらないのである。
彼にはJリーグ辺りで活躍して貰ったらよいのである。
 
 
            さらば⁉森保監督!    なのである。
 
 
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      2022年12月10日「カタールW杯:対クロアチア戦」ーの転載
 

つい先日のBest16 クロアチア戦で、日本の「W杯カタール大会」に幕が閉じた。
ご存知の様に1-1のまま推移した延長戦でもケリがつかず、最後のPK戦で1-3で敗れたのである。
 
試合の経過は相変わらずの個人頼みの展開で、前半は1-0でリードしていたしDF陣もしっかり守れていたように見受けられた。
 
前田大然のゴールは彼の献身的な前線でのDFに、サッカーの神様がご褒美をくれたようなものだった、と私は想っていたがやはりクロアチアはしたたかなチームだった。
 
 
ロシア大会を準優勝で終えたクロアチアのBest16 以降のスコアが、殆ど延長戦まで同点でPK戦で勝ちあがって来た、という事実がある。
 
「ドイツ」や「スペイン」を倒してきた日本に対してクロアチアは、早い段階で同点引き分けを狙って、PK戦持ち込みを意識していたのかもしれないな、とふと考えたりしながら観戦していたところである。 
 
この試合は、或る意味クロアチア監督のゲームプラン通りの展開だったのかもしれない。
 
実際のところ日本戦を終えた後クロアチアの監督が、「日本は私達を軽く見ていて、リスペクトが足りなかったのではないか・・」といった様な発言をしていたことから、そのように私には感じられたのである。
 
要するに自分たちはある程度日本代表チームを警戒し、リスペクトし勝ち上がるための準備をして来たが、日本チームの闘い方にはそのような痕跡が見られなかった。
クロアチアを倒すための努力や計画を日本は特別に練っていたとは思えなかった、といった様な意味合いで語ったのではなかっただろうか、と私は解釈した。
 
 
日本は一次リーグでの戦い方を殆どそのまま踏襲し、トーナメント戦となるBest16 を勝ち上がるための戦い方を模索して来なかったのではなかったか?
とクロアチアの監督は問うているのではないかと、私は感じ取った。
 
 
 
                   
 
 
 
実はこの点に日本代表がBest16 をなかなか勝ち上がれない原因がある様に、クロアチア監督のコメントを聞きながら、私は感じたのであった。
 
Best16 を勝ち上がる常連国と、Best8 に到達できない一次リーグ突破で満足している国との歴史や経験の違いが、その戦績やトーナメント戦の戦い方にそのまま反映しているのではないか、とそんな風に思わざるを得ないのである。
 
 
森保監督は東京オリンピックでもそうだったが、グループリーグをトップで通過することで「自分たちの今のやり方をこのまま続ければ、キットよい結果がこの先も得られるのではないか」と、想っている様に私には感じられるのだ。
 
東京オリンピックで開催国日本はBest4までは行ったが、3位決定戦でメキシコにも敗れメダル獲得には至らなかった。
 
この時も森保監督はメンバーチェンジや、勝つための戦術はとくには採用せずDF中心の主力選手の疲労蓄積によって、彼が公言していた「金メダル獲得」には成り得なかったのである。
 
今回も、同じことを彼は繰り返したのである。
森保氏の監督としての限界であろう。
 
やはり彼はリーグ戦向きの監督であって、タイトルの掛かったノックダウン方式のトーナメント戦での戦い方を知らない、残念な監督なのであるな、と私は再確認した。
(この点に関しては、『=W杯への道』の「さらば⁉森保監督!」(2021.08.08)で詳述してますので、ご興味のある方はご参照ください・・)
 
グループリーグを首位で通過した時点で、森保氏の更なる続投を示唆していた田島JFA会長の、相変わらずの人を見る目の無さをもその際再確認したのであった。
 
 
                 
                  
 
 
 
今回の大会で大いに期待されながら、結果を全く出せなかった鎌田がクロアチア戦後に言っていた
「今のやり方では、これ以上(うえには)上がれない」といったボヤキは、自分自身の問題でもあっただろうし、同時に森保監督の日本代表の闘い方に対する批判も含んでいたのではないかと、私は感じた。
 
と同時に私は鎌田のこの発言を聞いて、東京オリンピックでメキシコに1-3で敗れて4位に甘んじた時に、ボランチの田中碧選手が言った事をも、思い出した。
 
「メキシコは日本に敗れたリーグ戦とは戦術を替えて日本戦に臨んで来たが、日本はリーグ戦の時にメキシコと闘った戦術や、選手起用を繰り返しただけだった、それが今回の敗因であった・・といった様な趣旨の発言を彼がしていた事を、思い出したのである。
 
 
                   
 
 
 
今回のクロアチア戦での日本代表の敗因を、選手達のうちの何人かは気が付きながら闘っていたのであった。
やはり今の森保監督のレベルではこの辺りが限界で、この指揮官の元ではこれ以上の高みに、自分たちは到達し得ないだろうと、彼らが感じていたことに成る。
 
 
と、こんな風にこのコラムをまとめている時に、クロアチアが強豪ブラジルに延長戦で同点に持ち込み、PK戦で勝利した、という事実を知った。
 
やはりクロアチアはノックアウト方式のトーナメント戦の戦い方をしっかりと認識し、そのための闘い方をしているのだな・・。と改めて確認した。
 
 
JFAの首脳陣は「W杯ロシア大会」や「カタール大会」での結果を理性的に分析した上で、次のW杯に向けた日本代表チームの組織づくりを目指して欲しいものである。
 
さもなければ日本代表は、永遠にBest16 止まりで終わってしまうであろう、と私は推測している。
 
 
ロッカールームで大声を張り上げて選手たちや自分自身を鼓舞したり、動機付けをしただけではBest8 で戦う資格を得ることは出来ないだろう、と私はそう想っている。
 
グループリーグ突破の闘い方とは違う戦術を練り、その戦術を繰り返し訓練しチームに浸透させることで、初めてBest16を突破することが出来る。
 
そう言った戦術眼や戦略的な思考方法を持ち得る監督の下でなければ、永遠にBest8 の景色を見ることは出来ないのではないかと、そんな風に森保監督の采配を見ていて思った次第である。
 
 
選手個々人のレベルが高くなっているのは確かであり、今回のカタール大会でも明らかにその事実は感じられ、それは嬉しいコトではあった。
 
しかし同時にそれらの選手を率いる監督自身のレベルアップがまだまだ至っていない事を痛感した今回のカタール大会であった。
 
日本代表チームがBest16 を突破し、Best8の景色を見ることはまだまだ先の事ではあるだろう。
しかし、そのための努力を惜しんでいてはいられない。
反省すべきを反省し、修正すべきを修正しない限りいつまで経っても同じところをぐるぐる廻ってオシマイ、なのである。
 
30年後か40年後にW杯で優勝する、というヴィジョンを持っている以上日本代表チームは、そのための努力を惜しんではいられない、のである。
 
高い志を抱きながら階段を登って行く、次のステップに到達するための努力を惜しんではいられない、のである。
 
 
 
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         -  2019年2月4日「アジアカップ総括」ーの転載
 
 
2019年01月05日~02月01日までアジアカップUAE大会が実施され、日本代表が準優勝で終わった。
これまで日本代表の試合が終わるたびに7回にわたって観戦記を書いてきたが、ここでは本大会が終了したことを受けて、総括を行ってみたいと思う。
 
尚、総括を行うに際して私の基本的な立ち位置を確認しておく。何故ならばこれから先の総括は、現在の日本代表に対する私の問題意識や期待する事柄に基づいて検討されるからである。
 
私は日本代表が次のW杯で、Best8又はBest4(ひょっとしたらの期待値を込めて)に到達してほしい、という願望や希望を抱いておりそのためにこれからの3年半の間に、日本代表がそれを可能にする力を付けて行ってほしいと思っている。
その立場にたっての総括であることを、あらかじめ断っておきたいと思う。
 
2018年の夏から日本代表を率いて来た森保監督の「森保JAPAN」に対する評価は、昨年12月までの親善試合の4か月間が最初の一区切りであった、と思う。
次いで今回のアジアカップの濃密な1か月が、二番目の区切りである。
 
第1の区切りでは、4年後のW杯に向けた世代交代が試みられ、若手選手の登用が積極的に行われた。このことには何の異論もなく、非常にまっとうな対応であると私は感じていた。新陳代謝は若々しい組織を維持するためには必要だから、である。
 
そしてその世代交代は「中島・南野・堂安+大迫」という攻撃陣のユニットが、とても有効に機能したことで明らかなように、順調に進んでいたと思われたし、目に見える結果をも伴っていた。
試合を重ねるごとに成熟度が増したこのユニットは何の問題もなく、私を始め観ている多くの日本代表のファンは安心して、かつストレスフリーでワクワクしながら試合を愉しめたと思う。したがってこの時点では森保監督の手腕に何の疑いもなかった。
 
 
このユニットを私が高く評価するのは、何よりもこの攻撃スタイルが日本のサッカー界が永い間待ち望んだ「日本的なサッカー」を体現しているから、であった。
個人の身体能力やテクニックだけでは世界に通用しない日本のサッカーが、世界に通用するためには「俊敏性」や「きめ細やかな対応」そして何よりも「小集団で崩す」といった、実に日本人的なサッカーの確立が待たれていたからである。
 
この点については永い間、日本サッカーに詳しいかつての一流の日本代表選手や、ジャーナリストなどからも指摘され続けたことであった。が、それは今までずっと実現はしていなかった。いや出来てなかったと言うべきか・・。
 
その日本人の特性や特徴を生かしたチームが形成され始めたのは、私の記憶の中では「オシムJAPAN」が最初であったかと、思う。
南アフリカW杯への出場権をかけた闘いの中に、そのスタイルの片鱗を垣間見ることが出来たが、残念なことにオシム監督自身の脳梗塞という病によって、そのシステムは確立されないままに雲散霧消してしまった。
 
今でもあのまま「オシムJAPAN」が南ア大会に出ていたら・・。と語るサッカーファンが少なからずいるのは、この時の日本代表の攻撃スタイルが忘れられないから、であろう。かくいう私もその一人なのだが・・。
 
次にこの闘い方を眼にすることが出来たのは、先のロシア大会の時であった。
「乾と香川」が織りなす攻撃スタイルが、将にそうだったからである。
この時点で大迫も絡んではいたが、現在のユニットの時と比べると彼の関わりは、ロシア大会の時はまだ不十分であった様に、記憶している。
 
さて昨年の12月時点ではほぼ完成されたかに見えた、日本代表チームにとって課題が全く無かったわけではない。安心して観ていられたのは、前線のユニットだけだったからである。
去年の親善試合の観戦記にも書いておいたが、GKを含むDF陣はまだまだ安定しておらず、いつポカをやってしまうかを心配しながら観ていなければ成らなかった。
 
 
 
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そんな中で始まった、親善試合ではない真剣勝負の「アジアカップ」であった。
国と国と名誉を掛けてのアジア王者を決める、真剣勝負である。
従ってW杯でBest8以上を目指す以上は、それなりの結果を期待し求めることに成る。
仮に結果が伴わない場合でも、現在が成長のプロセスにあることが確認出来る内容が求められるのだ。
 
その成長のプロセスとは、第一の区切りである親善試合では充分機能していた「前線のユニット」が引き続き機能し、定着に向かっているかを確認する事である。と同時に「日本的な攻撃スタイル」が、真剣勝負でも通用するか否かを確認することであった。
 
二つ目は親善試合でも課題が多かったDF陣の安定であり、世界に通用するGKは育っているのか、又は見出されているのかである。
この二つ目の課題は正直時間が掛かるかもしれないと思っていた。
何故ならば人材の育成にはそれなりに時間が必要であるし、伸びしろのある原石を登用しアジア大会を通じて磨き育てるとしたら、やはり時間が必要となるからである。
 
 
ところが外見では20歳にはとても見えない富安が、実に良い働きをした。
彼は昨年の親善試合でもウルグアイ戦(?)だったかで、もうすぐゴールというボールを最後まで諦めず追いかけ、ギリギリのところで掻き出した。というスーパープレーをしており、私の記憶にもしっかり残っていた。
 
その彼の成長が著しく、もはや原石ではなくなっていた。
富安は昨年移籍したベルギーで、20歳にも拘らず不動のレギュラーに定着している、という。ベルギーですっかり揉まれて一皮も二皮も剝けたのだろうと、そう感じた。
 
ここに今回は招集されなかった昌子が加わったら、かなりDF陣は安定するだろうと想われた。富安がこのまま順調に成長し続けるのであれば、時折ポカをする吉田はキャプテンといえども、交代要員に成るのではないかとさえ私は予測している。
 
従って昨年末の時点での懸念材料は、アジアカップにおいてはある程度払拭されていた。GKの問題を除いては、である。 
残念ながらGKのファーストチョイスが現在の権田では、日本はBest8以上には成れない。彼は世界レベルのGKとはとても言えないからである。
 
シュミットダニエルという若くて身長の高い選手が今回招聘されていたが、彼や今回は怪我の影響で呼ばれなかった「中村航輔」らの成長を願うばかりである。
若くて伸びしろのある選手達が富安のように海外の強豪国で揉まれて、一皮も二皮も剝けて成長してほしいと、そう願っている。
 
さて問題は昨年末までは順調であった「前線のユニット」である。
アジアカップの直前になって前線ユニットの要の一人だった中島翔哉が、ケガで離脱してしまった。
サッカーは削ったり削られたりの激しいスポーツだから、ケガによる負傷や戦線の離脱は日常茶飯なので、それは仕方ない。負傷離脱する選手がいることを前提に、チームを作って行かなくてはならない。
 
問題は負傷者が出た時に、それを補うメンバーが準備されているかどうかであろう。
そのための準備が出来ているかどうかが、代表チームの監督以下のコーチ陣に問われる課題なのである。
そして同時に問われるのは代表監督が、12月まで機能してきたこの「前線のユニット」をどう考えているか、なのである。
 
要するに、たまたま選んだ前線の四人の選手が「うまく嵌まった」からこの「前線ユニット」を続けているのか、それともあの四人が織りなす攻撃スタイルが「日本の目指す攻撃スタイル」として、これからも継承・継続し、定着させなければ成らないスタイルだと考えているかどうか、が問題に成るのである。
即ち森保監督の考える日本代表の攻撃スタイルは何なのか、が問われて来るのだ。
 
 
 
 
                 
 
 
ところが残念なことに森保監督は前者のように考えていたのではないか、と私には思えた。それは中島翔哉のポジションに選んだのが原口だったからである。
 
原口の特徴は前線に居て労を厭わず上下運動を繰り返し、相手の攻撃の芽を摘むその守備力の強いサイドハーフという点にある。
 
原口の持ち味は、きめ細かなパスを繰り返し相手のDF陣を翻弄したり、ドリブルで切り込んでDFを混乱させるタイプの選手では無いし、そんな能力も彼には備わっていない。
その事は森保監督レベルであれば十分認識しているはずだ。
 
しかし彼のファーストチョイスは常に原口であり続けた。森保監督はこのアジア大会で、チームとして「前線のユニット」を継承し定着させることを、選択しなかったのである。
 
私はそこに彼の限界を見るし、彼は自身の率いる代表チームにおいて「日本的な攻撃スタイルの確立」を目指してはいない、のではないかとそう思えてしまうのである。残念なことである。
 
 その結果今回チームのユニットは、昨年末までのそれに比べ数段レベルの落ちたものに成ってしまい、対戦相手に恐怖を与えないチームに留まった、と私は想っている。
アジアカップで優勝できなかった原因もこの点にあると、私は想っている。
 
 
もちろん中島に代わり得る選手を最初から呼ばれてなかったのであれば、最初から彼の攻撃ユニットに対する考えが違う、という事を知ることに成るのだが、ベンチには乾が居たのである。
ロシアW杯で香川と一緒に日本をBest16に導いた原動力に成った選手である。実績も経験もあるその乾を彼は選ばず、原口を使い続け乾にはベンチを温めさせただけである。
 
 
更に彼はトーナメント戦に入ってからはターンオーバーを使う事が無く、殆どの選手を入れ替えず使え続けた。
その結果酒井のように疲労が蓄積し、本来の能力が発揮できない選手も何人か見えたし、選手間の競争によってもたらされるべき活性化が、チーム内に起きなかったのではないかと、私は感じていた。メンバーが固定化し硬直してしまうからである。
 
 
果たしてこのまま森保監督に日本代表を任せ続けていいのか、彼の監督としての力量に大いなる懸念と疑念を抱いてしまったのである。
このまま森保が監督を続けて、果たして次のW杯で日本がBest8以上を獲得できるのだろうか、という不安を抱くように成ったのである。
 
 
暫くは親善試合が続くが、今年の夏には南米で行われる「コパ・アメリカ」大会に日本はカタールと共に招待されている。
この大会での闘い方や結果如何では、代表監督の人選も再考する必要がある、と私は想っている。
森保監督には東京オリンピックに専念してもらった方が、彼にとっても日本代表にとっても、お互いに幸せなのかもしれない、と私は想っているのだ。
 
 
以上が今回のアジアカップを観戦しての、私の独断と偏見に基づく総括である。
 
 
 
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     -  2019年2月1日「アジアカップ:対カタール戦」ー の転載
 
 
アジアカップの決勝カタール戦の結果は、ご存知なように1-3の敗戦であった。
この試合は森保監督の戦術ミスが原因であったように私は想っている。
これまで戦ってきた7試合の内でも、一番出来が悪かったように思える。
 
最大の敗因は準備不足という事ではないかと私は思っている。
カタールが日本チームの事を良く調べ研究し、事前にしっかり準備してきたのとは対照的であった。
 
その例の一つはカタールDF陣の5バック(BK)に現れている。日本の「大迫+原口・南野・堂安」を事前に想定しブロックを形成してきたのである。
一方それに対して日本チームは、その5BKのカタール守備陣に対する、崩しの戦術を創ってこなかった様に想われる。
 
トルクメニスタン戦やベトナム戦の時もそうだったが、5BKで守りを固めてくる相手に対して、サイドチェンジを繰り返したり、ドリブルで切り込んで相手DFを釣り出す攻撃、といった事が行われなかった。
繰り返し行われたのは柴崎あたりからの、南野や大迫に向けてのワンパターンの縦パスで、その攻撃パターンへの準備がカタールには十分できていた。練習を繰り返して来たのだろうと、想われる。
 
 
大迫頼みの攻撃パターンはことごとく複数で掛かって来るDFによって潰されていた。
堂安サイドからのドリブルは攻撃にアクセントをつけたが、原口サイドからの繰り返されるセンタリングは、中央を固めていたDFによって殆どブロックされていた。
 
中島の離脱の影響が大きかったのであろうが、最後の5分に成るまで乾を使わなかった森保監督の、スタメン及び交代策が問題だったと、私は感じていた。
5BKの相手DF陣を崩す選手の登用・投入が無かったのだ。
 
これは日本戦に向けてしっかりと闘い方を考え、準備をしてきたカタールとの違いが浮き彫りに成っている象徴で、結局後半の半ばに武藤を投入するまでずっと続いていた。
 
ボランチ以下のDF陣の対応も、カタールのアシスト王やゴールゲッターに対する事前準備が出来ていなかったようで、イラン戦までの安定ぶりとは打って変わってバタバタしていた。守備陣の約束事が出来ていなかったに違いない、と感じた。
 
カタールのコーチ陣が日本代表に対してリスペクトしていたのに対して、森保監督を始めとした日本のコーチ陣は、カタールのコーチ陣や選手へのリスペクトが足りなかったのだと想う。
今までのやり方を踏襲していれば何とかなると、想っていたのではないか・・。
 
更にまた、サイドバック酒井選手の凡ミスが目立ち、キレがイマイチだったのは、中3日で4試合連続出場のツケが出たのだと思う。ターンオーバーの不採用である。
酒井は2・3試合前から後半に成ると何度か足がつっていた。その時点で彼の身体の状況を的確に判断すべきであったと思うが、残念ながら考慮されなかったようだ。
 
同じサイドバックでも長友はベテランとして省エネスタイルが出来ていたから、あまりミスは無かったが、中堅の酒井はその点がまだ不十分だったし、その点へのコーチ陣の対応がやはり不適切だったと想う。
同様の事はボランチの柴崎にもみられた。適度な休暇やリフレッシュは短期間に7試合もする場合は、当然考慮しなければならないし、そんなことは日本のコーチ陣も判っていたはずなのだが・・。
 
 
いずれにしてもこの試合では、日本代表の事前準備がしっかりできていたようには思えなかったし、カタール代表に対するリスペクトが足りなかったように想える。自滅してしまったのだと、私は感じた。
「敵を知り、己を知らば百戦危うからず」という孫子の有名な格言があるが、昨日の決勝戦についていえば、日本のコーチ陣はこの努力を怠っていたように想えた。
 
カタールの攻撃陣の個人技は称賛に値するが、昨日の日本代表は「敵を知ろうとせず」「己も良くは知っていなかった」のだと思う。
昨日のカタール戦、結局は自分に負けたのだと私は思っている。
 
 
 
 
 
 

「東アジア選手権」(2019.11.19)

 
ここ二週間ほど続いた「東アジア選手権」が昨日終わった。
カンフーサッカーを標榜していると思われる「中国」や、今まさに中国と揉めている「香港」そして東アジアでは色んな意味で永遠のライバル「韓国」との戦いであった。
 
結果は、今回も準優勝と云う事であったが現在の日本サッカーの国内選手メンバーでは、こんな感じといったところであったのではなかったか。
特別な感情移入もないまま観戦していた。日本サッカー協会にとっても森保監督にとっても、キット来年のオリンピックに向けた強化試合の一環、といった感じの位置づけであったのだろう。
 
しかしながら相変わらずチームとしての戦い方に方向性が見られなかったのは、現在の監督では無理もないことかもしれない。
ハッキリ判った事は去年の今頃の日本代表の攻撃力は、チーム戦術の浸透にあったのではなく、「大迫-中島-南野-堂安」のアタッキング4のメンバーの組み合わせで、偶然もたらされた成果であった、と云う事か。
 
そしてどうやら今回のメンバー構成は、来年のオリンピックに向けた国内の若手選手たちの発掘と、確認といったところにあったようである。
 
私の森保監督への評価はすでに前回のベネズエラ戦で、答えが出ているので特段の言及はしない。オリンピックに向けて新しい才能が開花することを願うばかりである。
選手たちはお疲れ様でした。
 
 
 
 

  親善試合:「ベネズエラ戦」(2019.11.19)

 
 
昨日の親善試合は、ある意味現在の森保監督の実力を現わしていたように思っている。
昨日のスコア1-4は、昨日のスタメンであればまぁこんなもんか、といったところであろう。川島をGKに据え、植田をDFのキーマンに登用したことで、DFへの信頼は期待していなかった。
 
攻撃陣もボランチやアタッキング4の布陣においても、これまでのメンバーに比べ明らかにレベルの低い選手を登用してきたことから、多くの期待は無かった。
更に残念だったのは「キルギス戦」で試したのかもしれない、と思われた二番目のユニットメンバーですらなかった。
 
私はこの親善試合で「永井-原口-南野-伊東」という、キルギス戦で戦ったメンバーの新ユニットを採用し、日本代表のアタッキング4のオプションであるこのユニットの熟成を図るのかもしれない、と想っていたからである。しかしそうではなかった。
 
 
やはり森保監督にとって今回の親善試合は、国内Jリーガー選手のモチベーションUPやお試しでしか、なかったのであろう。
 
それに比べてベネズエラチームは10日も前から来日し、チームの連携プレーや戦術の浸透を図っていたようで、試合開始5分くらいで両者のチームとしての完成度というか熟成度の違いが観ていてはっきり感じられた。
 
更にベネズエラの監督たちは「キルギス戦」での日本代表の戦いぶりをしっかり分析して、研究してきたようで日本チームの弱点をもしっかり、かつ的確に把握していたようである。それがサイドからの切り崩しによる得点シーンを、何度ももたらしたのである。
 
ベネズエラは日本代表をリスペクトし、事前の準備を十分かつ的確にやっていたのである。
従って、1-4のスコアは偶然でもなければ運悪くでもなく、必然であったのである。
 
 
私は今夏の「コパアメリカ」でも感じていたのであるが、森保監督は対戦チームへのリスペクトが足りない様に想う。自分の描く選手たちのお試しで「コパアメリカ」を戦っていたようだったし、今回の親善試合もそのように位置付けているのではないのか、と想われるのである。
 
去年の今頃の日本代表チームは「大迫-中島-南野-堂安」が奏でるアタッキング4がしっかり機能していて、森保監督への信頼もあったのであるが、どうも買いかぶっていたようである。この思いは今年初めの「アジアカップ」の時からぼんやりと感じていたのであるが、「コパアメリカ」を経て今では確信に成って来た。
 
ハッキリ言って森保監督では世界の強豪国を相手に戦うことは出来ないであろう。たとえW杯のアジア二次予選では通用したとしても、である。
私は次回のカタール大会ではBEST16の壁を突破することを期待しているから、はっきりと森保監督の更迭を期待する。
 
日本サッカー協会の的確な評価と、決断が待たれるのである。
 
 
 
 
 

 W杯二次予選:「キルギス戦(2019.11.14)」

 
 
 
昨日のキルギス戦は観ていてイマイチ、盛り上がりが足りなかった気がする。
もちろんW杯の出場権をかけた真剣勝負だから、何よりも勝ち点を積み上げることが大切である事は、重々承知してはいるのであるが・・。
 
率直な感想としては10年くらい前の日本代表の試合を観ているかのようであった。
アウェー戦だからといって対戦相手チームの観客たちの反応や、ピッチコンディションの悪さ、それから今回はあまり見られなかったが中東の審判団に見られがちな、ホームチームへの有利な判定といった事が起こり得るから、2-0の結果はマァマァと想うことも出来るのであろうが、残念な展開であったと私がそう思ってしまったのはなぜだろうか・・。
 
たぶん根底には、今度のカタール大会ではBEST8まで行けるチーム作りが出来ているかどうかを、たくさんの期待と一抹の不安とを抱えながら観戦しているからではないかと、自己分析してみたのである。
 
アウェーで戦う事の不利さや、ピッチコンディションの悪さはある程度戦う前から判っている事であろうから、それは織り込み済みでないと話は始まらないのである。そのことを言い訳にしても仕方ないのだ。
 
それよりもキルギスは日本代表についての事前の研究や分析がある程度出来ていたようで、柴崎を始めとしたボランチへの対応や、サイドバックやサイドハーフを使った横からの崩し、と言った攻撃パターンが好く機能していたように感じられた。
またセンターバックだったからの前線へのクロスのサイドチェンジも、事前に訓練されていた攻撃パターンであるように感じられた。
要するにキルギスは事前に日本をよく研究し、日本への戦い方を戦術としてよく練り上げていた印象を受けたのである。
 
 
               
 
 
 
それに対して日本代表は、堂安や久保建英がオリンピック代表チームに招聘された、と云う事もあってかこれまでとは違う編成に成っていた。
ピッチコンディションの事も考えてか、アタッキング4に足の速い選手をそろえて来た。即ち原口や伊東選手の起用であり、中島のベンチスタートである。
 
従来の「大迫(永井)-中島-南野-堂安」のアタッキング4を第一チョイスとして、それへの代替のセカンドチョイスの攻撃ユニットを創っておく事は必要にして不可欠であろう。
しかしながら今回のユニット「永井-原口-南野-伊東」が、組織として十分機能していたかと言えば、残念ながらそうは成っていなかった。
代替の攻撃ユニットを創っておくのであれば、攻撃時や前線での守備での約束事や戦術・各人の役割分担、と言ったものの構築がそれなりに必要なのではないかと、想われるのである。
 
 
私が今回のキルギス戦で何となく物足りなさを感じたのは、この第二の攻撃ユニットの構築があまり感じられなかった点に、あるような気がする。
選手個人の個々の力による打開や突破と言った攻撃は見られたのであるが、新たなユニットによる攻撃パターンの未確立、あるいは未成熟ひょっとしたらそう言った発想すら考えていないのか、と言った思いを感じたからかもしれない・・。
 
アジア予選を突破するのには、とりわけ今回のような二次リーグで戦う国々を相手にするのにはそれで良いのかもしれない。
しかしW杯の本番で世界のトップクラスとガチンコ勝負で戦い、そこで生き残って行くためには現在の日本選手の個の力だけでは、まだまだ不十分であるという認識を私は抱いている。
 
やはり日本人の得意な「チームやユニットによる攻撃パターンの確立」や、「崩し・打開の構築」が必要であり、この新しいユニットにもそれが求められるのである。即ち「永井-原口-南野-伊東」のユニットにも、明確な攻撃パターンの確立が待たれるのである。
もしこのメンバーでのユニットではそれが実現しないのであれば、他のメンバー構成による新ユニットを検討することが必要になるかもしれないし、それはそれで構わないのである。
 
いずれにせよ、すでにある程度確立していると思われる第一ユニットとは別に、パラレルやオルタナティブな第二の攻撃ユニットバージョンの構築が、待たれるのである。
何よりもそれはW杯の本番で、日本チームがBEST8やそれ以上での活躍を目指すためには、必要になって来る事なのである・・。
 
 
 
 
 
 
 
 

W杯二次予選:「モンゴル戦(2019.1010)」 「タジキスタン戦(同10.15)」

 
この1週間の間に「モンゴル戦」と「タジキスタン戦」とが行われ、結果はそれぞれ「6-0」「3-0」であった。正直なところこのクラスの対戦相手と戦っての成績としてはまぁこんなところかと、結果には納得している。
 
昨日の「タジキスタン戦」は、前半は日本の戦い方をしっかり研究してきたタジキスタンの努力の成果が現れていたようで、日本が攻めあぐんでいたように感じられた。
従ってハーフタイム時に、森保監督がどのように修正して来るのかを期待感を持ってじっと待っていた。
 
ロッカールームでの事は知る由もないが、前線のアタッキング4の攻め方や連携プレーに修正が加えられたのかもしれなかった。
南野へのほぼピンポイントとも云える、中島のアシストと成ったパスはそのハーフタイム時の戦術調整の成果かもしれないし、二点目の酒井からのラストパスも同様の結果、得られたものかもしれない。
 
 
                 
 
 
中島のあのラストパスは有効だったし、彼はモンゴル戦においてもそうであったのだが、今回は殆ど個人プレーに走っていなかったように思われる。
9月のミャンマー戦の時に比べ、明らかにプレースタイルが替わり、成長しているように見られた。所属チームのポルトの監督に鍛えられた成果が出たのかもしれない。9月中旬に両者の間には多少の葛藤があったようだからである。
彼自身がそのことに深いところで気が付いているのであれば、先の「ミャンマー戦」で感じたような懸念が今後は払拭される、と期待することは出来るのだが・・。
 
 
誰かが言っていたが森保監督は、大迫の不在時のこの時期にFWでは「永井VS.鎌田」を競わせ、サイドハーフでは「伊東VS.堂安」を競わせ、ボランチでは「遠藤VS.橋本」を競わせているのかもしれない。モンゴル戦とタジキスタン戦の先発メンバーを見ると、そのように考えることも出来るからである。
一つのポジションを複数の伸び盛りの若手に競わせるという采配は、今年の「アジアカップ」時には見られなかったように見られるから、森保監督も「コパアメリカ」辺りを通じて、学習してきたのかもしれない。
 
 
それにしても南野の成長ぶりには驚かされる。去年の今頃も「大迫-中島-南野-堂安」のアタッキング4の時も彼のプレ-は、好いプレーが多かったのであるが今年からは今一つ頭が抜けた感がある。
大迫の不在で、前線のアタッキング4の中心を担おうとする自覚が現れてきたのだろうか?それとも先日のリバプールとのチャンピオンズリーグの活躍が示しているように、個人としてのレベルが一段上がって来ているのだろうか・・。
いずれにせよ先のロシアW杯後の次世代の攻撃陣の中心選手として、彼が育ってくれることはカタール大会以降も含めて、今後の日本代表にとっては安心材料である事は間違いない。
 
中島も今回同様に個人プレーに走らず、チームとしての連携を中心に機能してくればますます良くなるのではないかと、そう期待している。
彼らの今月の二試合の戦いぶりが、今後定着して行ってくれるのかどうか、しばらくは見守ってきたいと想っているところである。
 
 
  
 
 

W杯二次予選;「ミャンマー戦」(2019.09.10)

 
先日のミャンマー戦はご覧の通り日本の快勝であった。
現在の日本のサッカーのレベルとミャンマーのレベルの違いを考えれば、終始一方的ともいえる展開は当たり前といえば当たり前な結果ではあっただろう。
 
FIFAランキングでも100位ぐらい離れた下位の国との試合で、万が一負けるようなことがあったら、それこそ監督の責任問題に成っていたであろう。
それにしても今回の二次予選のグループ内の対戦国はいずれも、アジアでも二番手以下のレベルの国々であり、このグループで首位に成れば次回のカタール大会への切符がゲット出来るのであるから、今回は恵まれているといえるだろう。
 
 
従って日本代表のこの二次予選の真の対戦相手は、グループ内の「モンゴル」「キルギス」「タジキスタン」「ミャンマー」といった国々ではなく、日本代表自身であると云う事に成って来るのである。即ち己れ自身と戦わなくてはならないのである。
具体的には下位の国との戦いにおいて「慢心」や「驕りに陥る」ことなく、W杯カタール大会においてBest8に入れるチーム作りをしなくてはならない、と云う事であろう。
 
そのためにはこの二次予選を通じて、「日本的なサッカースタイルの確立」に更なる磨きをかけることが出来るかどうかが、重要なポイントに成ると私は想っている。
そしてこの「日本的なサッカースタイルの確立」の方向性は、前回のロシア大会においてその萌芽は見えていたのである。
 
この点に関しては、本HP内の他のコラム「ロシア大会W杯」の総括において詳しく述べているので、ご興味のある方は参照していただきたい。(「日本代表の戦い総括-その『総論』:2018.0706」及び「2018年ロシアW杯のエピローグ:2018.07.16」)
 
さらに言えばこの「日本代表の真の対戦相手は自分自身である」と云う事は、何よりも森保監督の問題であると共に、日本サッカー協会の執行部の問題でもあるのだ。
何故ならばこの「日本的なサッカースタイルの確立」について一番考えなければならないのは、日本サッカー協会の重要な課題であるからだ。
 
とりわけ日本代表がW杯優勝を50年以内の目標に掲げている、「百年構想」を達成するためには、この自国のサッカースタイルの確立が不可避なのである。
イタリアにしてもドイツにしてもスペインにしてもW杯で優勝している強豪国と云われる国々は、いずれも自国のサッカースタイルをしっかり確立しており、日本がサッカー強豪国に成るためには、同様の事が求められるからである。
 
 
しかもその可能性は日本代表女子サッカーチームにおいては、すでに佐々木則夫監督の手腕によって達成されており、その結果としてW杯では優勝している。
そしてまた男子チームにおいても先のロシア大会において、その萌芽が見え始めているのである。即ち「チームによる相手DF網の崩し 」「俊敏性の活用」「より細やかな対応」等である。
先のロシア大会においては、「香川」「乾」「柴崎」の連係プレーが魅せたプレースタイルである。
 
従って私はこの日本的なスタイルを今後も継続し続けることで更に磨きをかけ、「これぞ日本のサッカースタイル」といったある種の型を定着させる事が、日本代表チームが目指すべき方向だと想っている。
Best8やBest4に向かって成長を続けるためのは、この「日本的サッカースタイルの確立」が不可欠だと私は想っているから、である。
 
そのような視座に立って、私は今回の二次予選についての評価や考えを述べてみたいとそう、想っている。そしてこれが私なりの評価基準であり、指標=メルクマールなのである。
 
 
 
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さて、その視点で今回のミャンマー戦を振り返ってみる事にする。
結果は2-0の勝利で、前半の25・6分頃にはこの得点を取っている。私はこの時点で今日の試合は5-0または6-0で勝つのではないかと期待していた。結果はそうはならなかったのであるが・・。
 
得点シーンは10番中島の「技ありシュート」と「南野と堂安の連携プレー」によるゴールで、相手DFもどうしようもない対応不可能な、見事なゴールであった。
 
その後どうしようもない実力の差にイラついたミャンマーの選手たちが、キックボクシングサッカーを始めたこともあって、ちょっと荒れた試合に成ってしまった。仏教を信仰する国としてはちょっと珍しい展開であった。
 
 
 
              
 
 
しかし何よりも気に成ったのは早い段階で2点をゲットし、相手チームとの彼我れの力の差を自覚してしまった中島が、「チームで相手DF陣を崩す」というスタイルを放棄し、勝手にボールを持つとそのままシュートを打ち始めてしまった。それも数本では収まらない数を、である。
中にはバーを直撃する惜しいシュートもあったが、私は変に決まらなくてよかったと想っている。勘違いして個人プレーに走ってしまってほしくないから、である。
 
大迫1トップの下のハーフだからといって、あのプレーはいただけない。何よりも日本のサッカースタイルの確立には繋がらないからである。
まるでマラドーナやメッシを擁するアルゼンチンの試合を見ているようであった。
 
中島は確かに個人としての能力は高いものを持っている。しかし日本の目指すサッカーの方向性はそちらではないだろうと、私は観ていながら感じていた。
確かにアジアのチームが相手であれば、中島の個人プレーでもある程度通用するとは思うが、ヨーロッパや南米の強固なDF陣が揃っているチームを相手にした場合では、限界があるのだ。とりわけナショナルチームとして国の名誉と威信を賭けて戦うW杯においては、通用しないと思う。
 
そのことは最近のアルゼンチンを観てみればよく判るだろう。メッシレベルのスーパースターでも組織的で、訓練されたDF陣には勝てないのである。一次リーグ突破が目標ならそれもあるかもしれないが、Best8やBest4を目指すならそれでは限界があるのだ。
 
 
 
                
 
 
私は後半に成っても個人プレーを続ける中島をなかなか交替しない森保監督の采配に疑問を抱いた。「大迫-中島-南野-堂安」のアタッキング4は現時点で次のW杯を目指すメンバーとしては、とてもよく機能しているとそう思っている。
去年の秋からスタートしたこの攻撃陣の編成は現在も尚しっかりと機能しているし、組み合わせとしては現状ではBestチョイスだと思っており、実際にそれなりの結果を出しているからである。
 
しかしそれはあくまでもチームプレーが行われてこそなのである。「大迫-南野-堂安」の間には後半でもなおチームでの連携プレーはそれなりに生きていたように私には観られた。それだけに中島の個人プレーが目立ち、その結果アタッキング4のバランスを崩していたように私には思えた。大迫の中盤までの下がりが目立つようになったのもその影響だと、私は想っている。
 
残りの14・5分くらいになってその中島をようやく久保建英君に替えたが、それは「日本のサッカースタイルの確立」につながるようなメンバー交替ではなかった。
将来のスター候補で、多くの内外のサッカーファンから注目されている久保建英君をデビューさせルための交替、のように思えた。残念である。
どうやら森保監督の頭の中には「日本的なサッカースタイルの確立」、というコンセプトは無いようである。
 
今年行われた「アジアカップ」や「コパアメリカ」の采配を観ていても、彼の監督としての手腕や能力の限界を私は感じていたのであるが、彼の代表監督はオリンピックまでで良いのではないだろうか?と私は想っている、というか希望している。
 
彼自身の監督としての経験や能力の向上が無い限り、W杯でBest8以上を目指すことは難しいように、私は想っているからである。
日本サッカー協会の執行部はこの1年間の森保監督の采配ぶりを見て、一体どのように考えているのだろうか・・。
いずれにせよそのようなことを考えてしまった、今回のミャンマー戦であった。
 
それにしても日本のDF陣の安定ぶりはしっかりと確認できた。安心して観ていられるようになったのはこれからの事を考えると安心な材料である。
冨安の成長が大きく影響しているのかもしれない。DF陣にはこのまま成長を続け、磨きをかけてもらいたいものだとそう願っている。
 
私は次のモンゴル戦に対しても基本的には今回と同じ視座と評価基準で、森保監督の采配や中島選手のチームプレーとしての連携のあり方、DF陣の戦いぶりといったものを注視していきたいと、そう思っている。
              
 
 
 
 
 

親善試合:「パラグアイ戦」(2019.09.05)

 
昨日はW杯の二次予選に向けた壮行試合のような位置づけで、南米の雄「パラグアイ」との戦いであった。
結果は2-0で快勝であった。
 
その快勝の要因は試合を見ていた方も感じていたと思うが、DF陣の安定とリズミカルな攻撃陣の連携であった。
 
DF陣に関してはやはりここ数年のレベルアップが随所に見られ、つまらないミスやバックパス・横パスといったプレーがほとんどなく、安心して観ていることが出来た。
やはり富安を始めとして、ヨーロッパでレベルの高い試合を日々積み重ねている選手達の存在が、大きいのだろうと思う。
 
FW陣に関してもアジア大会やコパアメリカの時に比べ、「大迫-中島-南野-堂安」の四人が織りなす呼吸の合ったプレーは見ていて楽しかったし、去年の秋から年末にかけてのBestな組み合わせが復活した事が、一番大きかったように思う。
 
 
               
 
 
それにしても今やスターティングメンバーのうち10人が海外組というように成って、一昔前や二昔前の日本代表を知っている身としては、感慨深いものがあった。
今回招集されていない海外組も2・30人はまだ控えて居るのだ、日本のサッカーの選手層が厚くなったことを素直に悦んでいる。
 
Jリーグ開幕以来の日本サッカー協会の大きな育成プログラムが順調に進み、人が育ち、開花していることをやはり悦んでいる。
 
それにしても18歳の久保建英君の成長も順調に行っているようで、喜ばしい限りである。そう遠くない時期に彼を核にした攻撃陣のシステムが構築され、有機的に機能するようになれば、更なる水準の日本代表を目にすることが出来るのではないかと、秘かに期待している。
 
それにしてもまだ数年間は現在の4人のFW陣が織りなす、組織的な連携プレーが威力を発揮し続け定着し、世界を驚かすことになるのではないかと、そんな風に昨日の試合を見ていて感じた次第である。
 
来週の二次予選が楽しみである。
 
 
 
 
 
 
 

コパアメリカ:「エクアドル戦」(2019.06.25)

 
 
今日の試合が、コパアメリカの日本代表の最期の闘いと成ってしまったことは残念である。
結果は1-1のドローであったが、全体的には日本が押していた。
最後の15分の采配次第では日本はグループステージを突破していた可能性は無くはなかったと私は感じている。
 
前回のウルグアイ戦では三好がヒーローに成って世界を驚かせていたが、今日の試合で云えば久保建英君の活躍が目立っていた。まだ18歳の若き日本サッカー界の希望の星である。
この試合が三試合目と云う事で、固さや気負いは薄れ、チームメイトとの慣れも出たようでとても18歳とは思えない、落ち着きぶりであった。
この年齢で世界のトップクラスの大会でガチンコ勝負を体験できたことは、彼の今後のサッカー人生においても有益な経験であったのではないだろうか、と喜んでいる。
 
 
 
 
                 
 
 
さて今日の試合だが、岡崎と川島の超ベテランたちには疲れが見えていたようで、ウルグアイ戦ほどのはつらつさは、見られなかったように感じられた。
30代半ばで中4日というスケジュールは、彼らの肉体ではそれも無理からぬところであろう・・。 
ウルグアイ戦の好調を期待した森保監督は、スタメンから彼らを投入してきた。
この時点で私は、彼の監督としての経験や手腕の未熟さを感じた。アジアカップの時もそうだが、選手の疲労についての洞察・配慮が足りない様に思われるのだ。
 
案の定川島は中島の得点で先行すると、気の弛みか中学生のような凡ミスを行い二度ほど決定機を相手に与えてしまった。
中4日の疲労の問題は、30代の超ベテラン達だけにとどまらず、両サイドバックにも感じられた。
 
世界のトップクラスのウルグアイやチリと中3日や4日で、1週間の間に三試合戦うのは相当疲労が蓄積していると思われるのだが、この上下のアップダウンを繰り返すサイドバックの選手も、森保監督はそのまま使い続けていた。
やはりこの監督の頭の中には「ターンオーバー」という戦術は無いのかもしれない。アジアカップでも強く感じたことだ。
 
1-1で推移し最後の15分くらいに成った時に、その森保監督は「岡崎」「三好」「板倉」に替えて、「上田」「前田」「阿部」の攻撃陣の選手を相次いで投入した。
私はこの采配を見てやはり森保監督はこのコパアメリカというレベルの高い大会を、若手育成の大会だと位置づけているのだなと、強く感じた。
何としても得点を重ね、勝に行くという意思を感じなかったのである。
 
第一試合のチリ戦で得点機を外しまくった「上田」と「前田」を最後の切り札として投入したから、である。
そして案の定二人は三回ほどあった決定機を外していた。彼らの投入は結局グループリーグ突破には、つながらなかったのである。
 
あるいはスタメン起用のチリ戦や、途中投入のウルグアイ戦のリベンジを彼らにさせたかったのかもしれない。だとすればやはり彼の優先順位は「グループリーグ突破」よりも来年のオリンピックを見据えた「若手の育成」という点にあったのだろう、そう思わざるを得ないのである。
 
 
この時に私は去年のW杯の時の、グループリーグ第三試合での西野監督の采配を思い出した。スタメンを大きく入れ替え、グループリーグ突破のために最後の14・5分をボール回しに徹した、西野監督の戦術をである。
 
あの戦術は世界のサッカーファンや一部のサッカーに詳しくない日本のスポーツ評論家等からブーイングを浴びせられもしたが、あの時の戦術で日本はグループリーグを突破することが出来たのであった。
そして決勝トーナメントのベルギー戦で死闘を繰り広げ、ロシア大会で最も見応えのあった試合だと、目の肥えたサッカーファンの評価を得る戦いを経験することが出来たのだ。
 
私はそのことを思い出したのであった。ちょうど一年前の今頃の事である。
そして同時に、森保監督はオリンピックの監督としては相応しいかもしれないが、W杯向けの監督ではないなと、改めて実感したのであった。
優先順位の付けられない、経験や手腕に未熟さを感じられる人には、W杯は闘えないだろうと私は想っているからである。
 
 
彼にはコパアメリカ大会よりも、ちょうど同じ時期に行われていたツーロン大会のほうが適していたのではないかと思う。ツーロンは23歳以下の大会で将にオリンピック世代のための国際大会であるからである。
 
日本サッカー協会の技術委員会のメンバーにもそのように思ってもらいたいものだと、今日の試合を見終えて私は感じたのであった。
森保監督では、次のW杯で日本はステップアップが期待できないからである。
 
 
しかし最後の久保健君のオフサイドは惜しかったねぇ、18歳の久保君にはこの時の悔しさをしっかり反省してもらって、今後の肥やしにしてもらいたいものだと想った次第である。
 
 
 
 
 

コパアメリカ:「ウルグアイ戦」(2019.06.21)

 
 
今日の「ウルグアイ」戦は前回のチリ戦に比べ、ストレスの少ない試合だった。
「スアレス」や「カッバーニ」といったワールドクラスの攻撃陣を有したウルグアイと2-2のスコアで渡り合ったことは素直に喜んでよいと、想っている。
 
チリ戦と比べて何が違うかというと、「FWの決定力」とスタメンからの「ベテラン投入」といった点であろう。
そもそもチリ戦においても0-4のスコアほど、実力の差があったわけではなかったのだ。
攻撃陣の決定力の無さが影響して、0-4と成っただけだったのである。
 
また、岡崎の投入がよく効いていたと思う。若手選手達は彼のような最前線での働きを大いに参考にすべきであろう。岡崎と三好の連携プレーも好かった。
 
前線で気に成ったのは相変わらずの中島の個人プレーの多さであった。チームで崩すスタイルをこのチームはあまり志向していないようだ。
三好の嗅覚や積極性といった個人能力で今回は得点出来たが、個人プレーで世界上位のDF陣を崩すのは容易ではない。
日本代表の戦い方の確立・定着を望む身としては、残念でならない。
 
 
DF陣は前回同様安定していたように思う。このチームはつまらないミスは見られないのが好い。数年前まではつまらないミスでボールロストしたり、失点することがあったからだ。もっともチリ戦では柴崎がそれをやって、チリに1点プレゼントしていたが・・。
冨安と植田のCBは吉田より安心して観てられる。これに昌司が入ればもっと安心できる。
 
今回のMOMは三好が獲得したようだが、それもまぁ納得である。
三好は岡崎や柴崎に飯をおごらないとね・・。たぶん彼の国際マーケットでの評価は大会前より二桁は高騰しただろうから。
 
 
               
 
 
 
しかし返す返すも20代後半の中堅層の不在が悔やまれる。
岡崎や川島はそれなりに頑張ったが、選手層の薄さが残念である。もう少し選手層が厚ければ、W杯ロシア大会に続いてコパアメリカでも、日本は旋風を起こしたであろうのに・・。
 
そしてより多くの試合数を体験することで、結果的に若手層の底上げにも繋がったであろうのに、と想うと残念である。
 
しかしまぁ次戦「エクアドル」との試合では、再び世界を驚かすことを期待してやまない。そして新しいヒーローが誕生する事を願っている。
それが攻撃陣の有機的な連係プレーでもたらされるのであれば、こんなに嬉しいことはないのであるが・・。
 
三好君、岡崎君ご苦労様でした。
 
 
 
 

 
 

コパアメリカ:「チリ戦」(2019.06.18)

 
 
今日行われたチリとの闘いにおいて結果は0-4と惨敗であった。
スコアだけ見ると一方的な展開であったかと、想うかもしれないが実際はそうではなかった。前半はもちろんのこと、70分頃まではそれなりによい戦いであった。
 
ヤングJAPANは結構頑張っていたし、以前の日本代表に比べDFはそれなりに機能していたように思える。
結果的に4点を失ったのは、再三の得点機を外しまくったFW陣に責任が求められるだろう。とりわけ3・4回決定機を決められなかった13番の上田の決定力が無かったことが、試合の流れを決めてしまった、と私は感じた。
 
しかし今回の敗因の最大のミスは、森保監督の招集メンバーの勘違いやゲームプランのミスにあるように思う。
今日の試合の前日に行われたチリの「監督とキャプテンによる会見」で云われていたことが、そのまま現れていたのだった。
 
その時言われたのは「日本はコパアメリカをリスペクトしていない」といった内容の指摘であった。
実際のところ森保監督はどのような考えで今回の招集メンバーを考え、スターティングメンバーを送り出したのであろうか・・?
 
 
昨年の夏以降日本代表の監督をゆだねられた彼は、当初「ベテランと若手の融合」を積極的に図り、それは有効に機能していた。昨年末までの事である。親善試合ではかなりよく戦っていたし若手の成長も確認できた。
DF陣で云えば冨安選手の成長と活躍に象徴される。
 
また攻撃陣で云えば「大迫-中島・南野・堂安」が織りなすトライアングルは実によく機能していたし、見ていて楽しかった。
そして何より安心できたのは先のW杯ロシア大会で垣間見えた日本的な攻撃スタイルがしっかりと踏襲されていたことである。
 
少なくとも去年の年末まではFW陣に対して、まったく心配していなかった。
ところが今年1月に行われた「アジアカップ」辺りから、その攻撃スタイルに迷いが見え攻撃に安定感がなくなって来た。森保監督の采配に「?」が付き始めたのだ。
 
この辺りの事は「アジアカップの闘い」に関する今年1月ごろのコラムに書いてあるので、重複は避ける。
今回のスタメンは来年のオリンピックを睨んだ若手重視のメンバー構成で、中堅やベテランが数人いるだけである。その若すぎるメンバー構成が日本代表の安定感をなくしたことは言うまでもない。
更に中堅よりも30半ばの超ベテラン「川島」「岡崎」を優先して招集している。このメンバーの招集にも大いに??が付いたのであったが・・。
 
それでもDF陣は冨安・植田を中心に機能していたように思われるが、前線が褒められるものではなかった。
個人プレーによる攻撃が中心で、ドリブルやサイドから放り込むスタイルで、昨年末まで見られた組織で崩す日本的な攻撃スタイルは最後まで見られなかった。見ていてフラストレーションがたまる一方だった。
森保監督はこの日本的な攻撃スタイルを若手世代に植え付けるという考えはないのであろうか?個人の突破力に頼りすぎていた。とても残念だ。
 
 
 
                
 
 
森保監督や日本サッカー協会は来年のオリンピックに向けての若手育成の大会としてコパアメリカを位置付けているのかもしれない。
そのために中堅やベテランを最小限にしたヤングJAPANにしたのだろう。しかしこのメンバー構成も経験を積んだ監督の手腕から比べれば、若い・未成熟なものだということが出来る。
 
中島も久保健も有能な選手であることに違いはないが、百戦錬磨の中堅とベテランで構成されたチリのDF陣を突破するのは容易なことではない。
W杯で「大迫-乾-香川」が魅せ、昨年末まで「大迫-中島-南野-堂安」が魅せたチームで崩すという、日本的な攻撃スタイルでもなければ簡単に崩せる相手ではないのだ。
個人のスキルによる攻撃といったスタイルを、世界でも最高水準といってよい南米のチームを相手にとるべき攻撃スタイルでは無いのである。
 
 
やはりチリのキャプテンが言っていたように「日本はチリやコパアメリカをリスペクトしていない」と云う事だろう。
コパアメリカを二連覇し、ヨーローッパのトップリーグで活躍している選手達による構成のチリを、甘く見ていたとしか思えない。
反対にチリの監督が「日本チームの、しつこさとスピードには警戒している」といった事は、日本代表へのリスペクトがあったからであろう。
 
今回の敗因はこの二人の代表監督の、コパアメリカの対戦相手への認識の違いや、監督自身の力量の違いがもたらした惨敗だったと、私は強く感じている。
相手へのリスペクトはもちろん、対戦相手に対する冷静な評価・分析と、日本チームの戦力の冷静な認識と・評価に基ずく、したたかな戦略の構築や戦術の徹底が、戦闘での勝利には不可欠なのである。
 
残念ながら現在の日本の選手個々人のスキルや、監督の自己満足的な「人材育成案」や「ゲームプラン」では、世界の強豪国にはまだまだ通用しないのである。これはヤングJAPANに限らないのであるが・・。
 
しかしこのままの闘いを今後も続けるようでは、今回のコパアメリカに多くは期待できない。コパアメリカへのリスペクトが足りなすぎるのである。もったいないことだ。
 
 
 
 

親善試合「コパアメリカ準備戦」(2019.06/05、09)

 
 
今回のキリンチャレンジカップは、今月に行われるコパアメリカのための準備試合であろう。正直なところ初戦の「トリニダードトバコ戦」は攻撃的ではあったが、何だかあまり良く判らないない試合で、要は森安監督がやってみたいメンバーとシステムを試した試合であったかと思う。
 
昨日の「エルサルバドル戦」は何とか形が見えたような気がした試合であった。
前半は伊東純也が結構効いていたようで、前の試合に比べサイドからの崩しが機能し、攻撃を活性化していた。
永井も頑張って、2ゴールと結果を出せたし前線が良く機能していたように思える。
 
後半は久保建英と中島の投入で期待感が高まって、それなりに活性化が更に進み森安監督のチャレンジや選手交代の意図は、プラン通りに結果が出せたのではないか。
3バックから4バックへの移行も大きな破綻なく出来たし、南米の強豪と戦うオプションが増えたと言ってもよさそうである。
 
 
私を含め多くの観客は久保建英という新しい日本の希望の星の登場と活躍に、期待感はもちろん高まりそれなりの結果が出せたことに、安堵もしていたのではないかと思う。
バルセロナで育てられた新しいヒーローの誕生に、日本のサッカー界は一段と盛り上がり、期待値も更に高まっていくのではないか。
 
DF陣の成長と共に日本サッカー代表の一段と高い成長や脱皮の場として、コパアメリカでのチャレンジに期待してみてみようかと思っている。
 
 
 
                                           
 
 
 
  
 

親善試合「ボリビア戦」(2019.03.26)

  
 
昨日の親善試合は1-0の結果であった。
気配りの森保監督らしく、試合前日に公言していたように、控え選手によるチーム編成であった。試合内容はとても親善試合らしいものであり、見ていて愉しいものとは言えなかった。期待感も高まる内容では無かった残念である。
 
キャプテンマークをしていた香川からはキャプテンシーは特に感じられず、乾との連携プレーはあまり感じられなかった。
前線とDF、ボランチとの連携もほとんど無く、全体に各人が個の力で戦っていたかの印象を受けた。これは練習不足なのか、コーチ陣がそのようなチームプレーを醸成してこなかったのかを、図り知ることは出来ないが残念な出来栄えであり、このメンバーでは期待出来ないことがハッキリと判かった。
 
 
今回の招集メンバーはこの夏の「コパ・アメリカ」招集要員の裾野を広げるためであったと推測するが、何人が残るかはコーチ陣のこの試合に対する各人に対する評価が、当然反映されるであろう。
 
コロンビア戦とは逆のメンバーがほぼ同一時間帯に交替し、その一軍メンバーと言ってよい選手達が投入されて、それまでの停滞感が嘘のように連携プレーが活性化し、見ていても愉しかったし、結果もまもなく現れた。
 
コパ・アメリカでの招集及び先発メンバーは、コロンビア戦のスターティングメンバーが中心になることは間違いないのではないかと、推測される。
 
コパ・アメリカでは、ロシアW杯からの日本的な攻撃スタイルを貫いて、成長や成熟度を高めていってもらいたいものだと、期待している。
そのスタイルが南米の実力国にどの程度通用するかを、観てみたいものである。
そこから新たな課題や、現時点での到達段階を知ることも出来るであろうと、期待している。世界での立ち位置が判明し、課題が明らかになることは、悪いことではない。
 
 
 
              
 
 
          
 
 
 
 
 

親善試合「コロンビア戦」(2019.03.22)

 
 
昨日は久々の日本代表戦であった。相手は南米の雄「コロンビア」である。
コロンビアと日本はW杯ブラジル大会以来の因縁の関係であり、日本代表の強化試合のパートナーとしては、かなり良い相手だと思う。
まして今夏に予定される「コパ・アメリカ」に向けての強化試合という点では、とても良い組み合わせであると思われる。
 
さてそのコロンビア戦である。結果は0-1と僅差で敗れたがチームビルディングの途中と云う事を考えれば、この結果はたいして重要ではないだろう。そのことに一喜一憂するのはスポーツ新聞に任せておけばよい。
 
私が注視していたのはこの戦い及び26日に予定されているボリビア戦において森保監督が、どのようなチーム編成を行い、どのような戦い方をするのかであった。
とりわけ1月~2月に行われた「アジアカップの反省」が十分なされているのか、活かされているのかどうかが、最大の関心事であった。
 
というのは先のコラム「アジアカップ総括(2019.02.04)」でも指摘しているように、私にはアジアカップの時点では、森保監督の采配やメンバーの使い方に少なからぬ疑念が残っていたからである。
 
問題というか課題は幾つかあったのだが、その主たる点は
1.日本的な攻撃スタイルを確立しようとしているのかどうか?
2.招集メンバーのターンオーバーが有効に機能しているかどうか?
3.DF陣の安定度合いは如何であるか?
といった点である。
結論を先に言えばこれらに関しては昨日の試合においては、アジアカップ時の懸念は払拭されていた、と云う事は出来そうである。
 
 
今回のチームは森保監督にとっては中島翔哉を中心に構成されたチームである、と云う事が判った。
スタートは「中島・南野・堂安」の若手三人のユニットに、新たなメンバーとして鈴木武蔵が加わった組み合わせに成っていた。
このパターンは昨年末までの攻撃ユニットの構成であったし、それ自体は「日本的な攻撃スタイル」を追求していくという点においては、とても大事な路線であると私は理解しているので、すんなりと理解できた。
 
新たに投入された鈴木武蔵に関しては、大迫の役割を担う若手という意味ではよく理解もできたし、彼の役割は一定機能していたように思われる。
今後の継続的な鈴木武蔵の投入により、前線のユニットしてとより一層オートマチックに磨きが掛かることが、待たれるのである。
 
 
次に「ターンオーバー」に関わる点であるが、これも比較的スムーズに言っていたように思われる。もちろん「ターンオーバー」においても、「日本的な攻撃スタイル」の確立及び定着、といった視点は重要である。その点を注視した。
その結果は、「香川・乾」の投入にあった。
W杯ロシア戦でも見られたように「乾・香川・大迫」のユニットは元祖「日本的な攻撃スタイル」であり、そのユニットを森保監督が継承しようとしていることを確認できた点が、今回の収穫である。
 
 
これは先の「アジアカップの反省」が十分なされていた、と云う事であろう。「中島・南野・堂安のユニット」路線は、この元祖「乾・香川ユニット」を踏襲して来た路線だからである。
したがって70分近く経過して、疲れが見えて前半ほどの活きの良さが無くなって来た若武者たちに替えて、30歳前後のベテランを投入することは、とても理にかなっていたのである。問題はこのベテランの投入によって、どのような修正が行われ新たなハーモニーが出てきて、機能するのかどうかであった。
 
その点については目を瞠(みは)るような結果は見られなかったが、そのような結果が出るのにはそれなりの積み重ねが必要であるから、鈴木武蔵同様時間の経過が待たれるであろう。進んでいる方向性や目指していることに間違いはないのだから、このままブレずに練習や実践を重ね、経験を積んでほしいものだと思っている。
 
 
             
 
 
三番目の「DF陣の安定」に関しても今回はある程度安心して観ていられた。「昌子・富安」のセンターバックに、「室屋・佐々木」のサイドバックはそれなりに安定していたし、攻撃にアクセントを付けていたように思われる。
こちらも若手のメンバーが中心であるので練習と経験を重ねて、より安定度や成熟度が進むことを期待したい。
 
以上の事からも判るように、私は昨日の戦いにはある程度満足している。
アジアカップの反省が活かされているように思われるし、修正も出来ているように思われる。したがって私的には今の路線を踏襲し継続することで、更に磨きをかけて行って、成熟度を高めて行ってもらいたいものだと思っている。
 
 
最後に、新たに投入されたメンバーにはフレッシュさを感じている。海外で活躍している選手やJリーグで活躍している選手が継続して現れていることに、愉しさと共に期待しているところである。チームの活性化には新陳交代は不可欠だからである。
 
 
 
 
 

アジアカップ:総括(2019.02.04)

 
2019年01月05日~02月01日までアジアカップUAE大会が実施され、日本代表が準優勝で終わった。
これまで日本代表の試合が終わるたびに7回にわたって観戦記を書いてきたが、ここでは本大会が終了したことを受けて、総括を行ってみたいと思う。
 
尚、総括を行うに際して私の基本的な立ち位置を確認しておく。何故ならばこれから先の総括は、現在の日本代表に対する私の問題意識や期待する事柄に基づいて検討されるからである。
 
私は日本代表が次のW杯で、Best8又はBest4(ひょっとしたらの期待値を込めて)に到達してほしい、という願望や希望を抱いておりそのためにこれからの3年半の間に、日本代表がそれを可能にする力を付けて行ってほしいと思っている。
その立場にたっての総括であることを、あらかじめ断っておきたいと思う。
 
2018年の夏から日本代表を率いて来た森保監督の「森保JAPAN」に対する評価は、昨年12月までの親善試合の4か月間が最初の一区切りであった、と思う。
次いで今回のアジアカップの濃密な1か月が、二番目の区切りである。
 
第1の区切りでは、4年後のW杯に向けた世代交代が試みられ、若手選手の登用が積極的に行われた。このことには何の異論もなく、非常にまっとうな対応であると私は感じていた。新陳代謝は若々しい組織を維持するためには必要だから、である。
 
そしてその世代交代は「中島・南野・堂安+大迫」という攻撃陣のユニットが、とても有効に機能したことで明らかなように、順調に進んでいたと思われたし、目に見える結果をも伴っていた。
試合を重ねるごとに成熟度が増したこのユニットは何の問題もなく、私を始め観ている多くの日本代表のファンは安心して、かつストレスフリーでワクワクしながら試合を愉しめたと思う。したがってこの時点では森保監督の手腕に何の疑いもなかった。
 
 
このユニットを私が高く評価するのは、何よりもこの攻撃スタイルが日本のサッカー界が永い間待ち望んだ「日本的なサッカー」を体現しているから、であった。
個人の身体能力やテクニックだけでは世界に通用しない日本のサッカーが、世界に通用するためには「俊敏性」や「きめ細やかな対応」そして何よりも「小集団で崩す」といった、実に日本人的なサッカーの確立が待たれていたからである。
 
この点については永い間、日本サッカーに詳しいかつての一流の日本代表選手や、ジャーナリストなどからも指摘され続けたことであった。が、それは今までずっと実現はしていなかった。いや出来てなかったと言うべきか・・。
 
その日本人の特性や特徴を生かしたチームが形成され始めたのは、私の記憶の中では「オシムJAPAN」が最初であったかと、思う。
南アフリカW杯への出場権をかけた闘いの中に、そのスタイルの片鱗を垣間見ることが出来たが、残念なことにオシム監督自身の脳梗塞という病によって、そのシステムは確立されないままに雲散霧消してしまった。
 
今でもあのまま「オシムJAPAN」が南ア大会に出ていたら・・。と語るサッカーファンが少なからずいるのは、この時の日本代表の攻撃スタイルが忘れられないから、であろう。かくいう私もその一人なのだが・・。
 
次にこの闘い方を眼にすることが出来たのは、先のロシア大会の時であった。
「乾と香川」が織りなす攻撃スタイルが、将にそうだったからである。
この時点で大迫も絡んではいたが、現在のユニットの時と比べると彼の関わりは、ロシア大会の時はまだ不十分であった様に、記憶している。
 
さて昨年の12月時点ではほぼ完成されたかに見えた、日本代表チームにとって課題が全く無かったわけではない。安心して観ていられたのは、前線のユニットだけだったからである。
去年の親善試合の観戦記にも書いておいたが、GKを含むDF陣はまだまだ安定しておらず、いつポカをやってしまうかを心配しながら観ていなければ成らなかった。
 
 
 
            ⚽  ⚽  ⚽  ⚽  ⚽  ⚽
 
 
 
そんな中で始まった、親善試合ではない真剣勝負の「アジアカップ」であった。
国と国と名誉を掛けてのアジア王者を決める、真剣勝負である。
従ってW杯でBest8以上を目指す以上は、それなりの結果を期待し求めることに成る。
仮に結果が伴わない場合でも、現在が成長のプロセスにあることが確認出来る内容が求められるのだ。
 
その成長のプロセスとは、第一の区切りである親善試合では充分機能していた「前線のユニット」が引き続き機能し、定着に向かっているかを確認する事である。と同時に「日本的な攻撃スタイル」が、真剣勝負でも通用するか否かを確認することであった。
 
二つ目は親善試合でも課題が多かったDF陣の安定であり、世界に通用するGKは育っているのか、又は見出されているのかである。
この二つ目の課題は正直時間が掛かるかもしれないと思っていた。
何故ならば人材の育成にはそれなりに時間が必要であるし、伸びしろのある原石を登用しアジア大会を通じて磨き育てるとしたら、やはり時間が必要となるからである。
 
 
ところが外見では20歳にはとても見えない富安が、実に良い働きをした。
彼は昨年の親善試合でもウルグアイ戦(?)だったかで、もうすぐゴールというボールを最後まで諦めず追いかけ、ギリギリのところで掻き出した。というスーパープレーをしており、私の記憶にもしっかり残っていた。
 
その彼の成長が著しく、もはや原石ではなくなっていた。
富安は昨年移籍したベルギーで、20歳にも拘らず不動のレギュラーに定着している、という。ベルギーですっかり揉まれて一皮も二皮も剝けたのだろうと、そう感じた。
 
ここに今回は招集されなかった昌子が加わったら、かなりDF陣は安定するだろうと想われた。富安がこのまま順調に成長し続けるのであれば、時折ポカをする吉田はキャプテンといえども、交代要員に成るのではないかとさえ私は予測している。
 
従って昨年末の時点での懸念材料は、アジアカップにおいてはある程度払拭されていた。GKの問題を除いては、である。 
残念ながらGKのファーストチョイスが現在の権田では、日本はBest8以上には成れない。彼は世界レベルのGKとはとても言えないからである。
 
シュミットダニエルという若くて身長の高い選手が今回招聘されていたが、彼や今回は怪我の影響で呼ばれなかった「中村航輔」らの成長を願うばかりである。
若くて伸びしろのある選手達が富安のように海外の強豪国で揉まれて、一皮も二皮も剝けて成長してほしいと、そう願っている。
 
さて問題は昨年末までは順調であった「前線のユニット」である。
アジアカップの直前になって前線ユニットの要の一人だった中島翔哉が、ケガで離脱してしまった。
サッカーは削ったり削られたりの激しいスポーツだから、ケガによる負傷や戦線の離脱は日常茶飯なので、それは仕方ない。負傷離脱する選手がいることを前提に、チームを作って行かなくてはならない。
 
問題は負傷者が出た時に、それを補うメンバーが準備されているかどうかであろう。
そのための準備が出来ているかどうかが、代表チームの監督以下のコーチ陣に問われる課題なのである。
そして同時に問われるのは代表監督が、12月まで機能してきたこの「前線のユニット」をどう考えているか、なのである。
 
要するに、たまたま選んだ前線の四人の選手が「うまく嵌まった」からこの「前線ユニット」を続けているのか、それともあの四人が織りなす攻撃スタイルが「日本の目指す攻撃スタイル」として、これからも継承・継続し、定着させなければ成らないスタイルだと考えているかどうか、が問題に成るのである。
即ち森保監督の考える日本代表の攻撃スタイルは何なのか、が問われて来るのだ。
 
 
 
 
                 
 
 
ところが残念なことに森保監督は前者のように考えていたのではないか、と私には思えた。それは中島翔哉のポジションに選んだのが原口だったからである。
 
原口の特徴は前線に居て労を厭わず上下運動を繰り返し、相手の攻撃の芽を摘むその守備力の強いサイドハーフという点にある。
 
原口の持ち味は、きめ細かなパスを繰り返し相手のDF陣を翻弄したり、ドリブルで切り込んでDFを混乱させるタイプの選手では無いし、そんな能力も彼には備わっていない。
その事は森保監督レベルであれば十分認識しているはずだ。
 
しかし彼のファーストチョイスは常に原口であり続けた。森保監督はこのアジア大会で、チームとして「前線のユニット」を継承し定着させることを、選択しなかったのである。
 
私はそこに彼の限界を見るし、彼は自身の率いる代表チームにおいて「日本的な攻撃スタイルの確立」を目指してはいない、のではないかとそう思えてしまうのである。残念なことである。
 
 その結果今回チームのユニットは、昨年末までのそれに比べ数段レベルの落ちたものに成ってしまい、対戦相手に恐怖を与えないチームに留まった、と私は想っている。
アジアカップで優勝できなかった原因もこの点にあると、私は想っている。
 
 
もちろん中島に代わり得る選手を最初から呼ばれてなかったのであれば、最初から彼の攻撃ユニットに対する考えが違う、という事を知ることに成るのだが、ベンチには乾が居たのである。
ロシアW杯で香川と一緒に日本をBest16に導いた原動力に成った選手である。実績も経験もあるその乾を彼は選ばず、原口を使い続け乾にはベンチを温めさせただけである。
 
 
更に彼はトーナメント戦に入ってからはターンオーバーを使う事が無く、殆どの選手を入れ替えず使え続けた。
その結果酒井のように疲労が蓄積し、本来の能力が発揮できない選手も何人か見えたし、選手間の競争によってもたらされるべき活性化が、チーム内に起きなかったのではないかと、私は感じていた。メンバーが固定化し硬直してしまうからである。
 
 
果たしてこのまま森保監督に日本代表を任せ続けていいのか、彼の監督としての力量に大いなる懸念と疑念を抱いてしまったのである。
このまま森保が監督を続けて、果たして次のW杯で日本がBest8以上を獲得できるのだろうか、という不安を抱くように成ったのである。
 
 
暫くは親善試合が続くが、今年の夏には南米で行われる「コパ・アメリカ」大会に日本はカタールと共に招待されている。
この大会での闘い方や結果如何では、代表監督の人選も再考する必要がある、と私は想っている。
森保監督には東京オリンピックに専念してもらった方が、彼にとっても日本代表にとっても、お互いに幸せなのかもしれない、と私は想っているのだ。
 
 
以上が今回のアジアカップを観戦しての、私の独断と偏見に基づく総括である。
 
 
 
 
                     
 
 
 
 
 

 アジアカップ:カタール戦(2019.02.01) 

 
アジアカップの決勝カタール戦の結果は、ご存知なように1-3の敗戦であった。
この試合は森保監督の戦術ミスが原因であったように私は想っている。
これまで戦ってきた7試合の内でも、一番出来が悪かったように思える。
 
最大の敗因は準備不足という事ではないかと私は思っている。
カタールが日本チームの事を良く調べ研究し、事前にしっかり準備してきたのとは対照的であった。
 
その例の一つはカタールDF陣の5バック(BK)に現れている。日本の「大迫+原口・南野・堂安」を事前に想定しブロックを形成してきたのである。
一方それに対して日本チームは、その5BKのカタール守備陣に対する、崩しの戦術を創ってこなかった様に想われる。
 
トルクメニスタン戦やベトナム戦の時もそうだったが、5BKで守りを固めてくる相手に対して、サイドチェンジを繰り返したり、ドリブルで切り込んで相手DFを釣り出す攻撃、といった事が行われなかった。
繰り返し行われたのは柴崎あたりからの、南野や大迫に向けてのワンパターンの縦パスで、その攻撃パターンへの準備がカタールには十分できていた。練習を繰り返して来たのだろうと、想われる。
 
 
大迫頼みの攻撃パターンはことごとく複数で掛かって来るDFによって潰されていた。
堂安サイドからのドリブルは攻撃にアクセントをつけたが、原口サイドからの繰り返されるセンタリングは、中央を固めていたDFによって殆どブロックされていた。
 
中島の離脱の影響が大きかったのであろうが、最後の5分に成るまで乾を使わなかった森保監督の、スタメン及び交代策が問題だったと、私は感じていた。
5BKの相手DF陣を崩す選手の登用・投入が無かったのだ。
 
これは日本戦に向けてしっかりと闘い方を考え、準備をしてきたカタールとの違いが浮き彫りに成っている象徴で、結局後半の半ばに武藤を投入するまでずっと続いていた。
 
ボランチ以下のDF陣の対応も、カタールのアシスト王やゴールゲッターに対する事前準備が出来ていなかったようで、イラン戦までの安定ぶりとは打って変わってバタバタしていた。守備陣の約束事が出来ていなかったに違いない、と感じた。
カタールのコーチ陣が日本代表に対してリスペクトしていたのに対して、森保監督を始めとした日本のコーチ陣は、カタールのコーチ陣や選手へのリスペクトが足りなかったのだと想う。
今までのやり方を踏襲していれば何とかなると、想っていたのではないか・・。
 
更にまた、サイドバック酒井選手の凡ミスが目立ち、キレがイマイチだったのは、中3日で4試合連続出場のツケが出たのだと思う。ターンオーバーの不採用である。
酒井は2・3試合前から後半に成ると何度か足がつっていた。その時点で彼の身体の状況を的確に判断すべきであったと思うが、残念ながら考慮されなかったようだ。
 
同じサイドバックでも長友はベテランとして省エネスタイルが出来ていたから、あまりミスは無かったが、中堅の酒井はその点がまだ不十分だったし、その点へのコーチ陣の対応がやはり不適切だったと想う。
同様の事はボランチの柴崎にもみられた。適度な休暇やリフレッシュは短期間に7試合もする場合は、当然考慮しなければならないし、そんなことは日本のコーチ陣も判っていたはずなのだが・・。
 
 
いずれにしてもこの試合では、日本代表の事前準備がしっかりできていたようには思えなかったし、カタール代表に対するリスペクトが足りなかったように想える。自滅してしまったのだと、私は感じた。
「敵を知り、己を知らば百戦危うからず」という孫子の有名な格言があるが、昨日の決勝戦についていえば、日本のコーチ陣はこの努力を怠っていたように想えた。
 
カタールの攻撃陣の個人技は称賛に値するが、昨日の日本代表は「敵を知ろうとせず」「己も良くは知っていなかった」んだと思う。
昨日のカタール戦、結局は自分に負けたのだと私は思っている。
 
 
 
 
               
 
 
 
 
 
 
 

アジアカップ:イラン戦(2019.01.28) 

 
 
昨日のイラン戦はアジアカップの、実質的な決勝戦だったのではないかと私は想っていた。それはイラン代表がアジアでトップクラスのチームである点や、アジアで世界に通用すると思われるのは、日本とオーストラリアとイランの三ヶ国ぐらいではないか、と思っているからである。
 
実際今日行われるもう一つの準決勝戦のUAEとカタールの戦力は、はっきり言って劣るとみている。Best8の試合を見ていてそう感じた。敗れたオーストラリアも韓国もイマイチで、勝った両チームも五十歩百歩だったからである。
 
昨日の日本代表は、これまでの試合とは打って変わって好いチームであった。
3-0は出来過ぎだったが、守備面が先ず安定していた。実際吉田も富安もDFとしては危なげなく、観ていても安心して居られることが出来た。
 
取り分け富安は老け顔にも拘らず二十歳という年齢と、体格の良い身体、俊敏性更には先を読む判断力は、眼を見張るものがあった。
吉田もキャプテンシーを発揮していたし、DFとしてだいぶ安定してきていた。
 
DF面の課題は、権田の相変わらずのポカで、安心して観て居ることは出来なかった。
ポルトガルのチームへの移籍が決まっているらしいから、ヨーロッパで揉まれて一皮むけての成長を期待するしかない。今のままでは世界に通用するGKには成れないであろう。
 
ボランチの柴崎も今大会の中では、一番存在感を示していた。エンジンがかかるのが遅かった気がしないでもないが・・。
相方の遠藤も地味だが要所要所を締めていたように想う。
 
 
両SBの長友と酒井には連戦の疲労やスタミナ不足を心配していたが、大きな問題はなかったようだ。とりわけ32歳の長友の体力に懸念があったが杞憂に終わったようだ。
前半はDFに徹していて、後半は攻撃にも時折顔を出していた。
己をよく知っているから、無駄な力は使わず、要所要所で力を発揮していたといった感じで、彼の人間的なクレバーさを感じた。
 
 
FW陣はやはり大迫の復帰が大きかったようだ。
南野もこれまでの試合と打って変わって、個人プレーからチームプレーが目立っていた。彼が能力を発揮するのには大迫の様な、ポストプレーが得意な相方が不可欠なのかもしれない、と感じた。
 
SHの原口は前線からの守備力を発揮していた。そういう意味では森保監督のこの試合でのゲームプランが、前線からの守備に在ったのだろうと解釈し、その役割は果たしていたと思う。
途中決めなければならないゴールを逃したミスはあったが、最後まであきらめずに走りゴールに向かう姿勢を続けたことに、サッカーの神様がご褒美をくれた様だ。
 
 
堂安のゴールに向かう貪欲さは、2-0で後半の残り20分頃から緩みが漂い始めた攻撃陣に在って、ガツガツ行くプレーで刺激を与え続けたように感じられた。
 
W杯のベルギー戦にもし彼が出ていたら、あの時同じように2-0で緩んでしまった日本の攻撃陣に、刺激を与え続けることが出来たかもしれない、などと妄想を抱いた。
 
 
全体では前半から小刻みなパスを繰り返し、ボールをキープし続け、終始イランに主導権を渡さなかった展開は、安心して観ていることが出来た。
森保監督も、戦況に一喜一憂せず冷静に展開を観ていたようで、安定感が感じられた。
 
結果は一方的であったが、イランのFWの20番がイライラして感情を爆発させたところを見て、富安のDF力にストレスを募らせていたのが判った。それがこの試合のすべてであったように私は感じた。
 
次の決勝は、相手がどこであれ日本代表の敵は自分たち自身であると、私は想っている。精神面での成長を期待したい。
 
 
 
          
 
 

アジアカップ:ベトナム戦(2019.01.24)

 
昨日のベトナム戦はベトナムの健闘が光ったようだが、成長途上の国の若い選手が主体のチームは、えてして最初から気張って飛ばしてくるものだと思いながら、私は試合を観ていた。
 
 
実は私は今回のベトナム戦のスタメンを聴いた時から、半分興味を失ってしまった。
残念なことにアジアカップにおける森保監督の采配や力量に、今の私は疑念を抱き始めている。去年の12月まではある程度信頼していたのだが、今ではそのように思えなくなってきている。誠に残念である。
 
サウジとは明らかにレベルの違う若いベトナムとの戦いに中2日で、疲労の残るメンバーをほとんどそのまま使い続けている。今の森保監督にとってはターンオーバーも考慮の対象ではない様だ。
 
 
それとも、ウズベキスタン戦で高いパフォーマンスを発揮してきたメンバーを、次のイラン戦で起用するために中7日の間、あえて休養させたかったのだろうか・・。
 
いずれにしても、次回のイランとの戦いで彼の監督としての力量が、はっきりと見えてくると私は想っている。
スタメンと、途中交代の采配如何で彼の代表監督としての評価が定まるのではないかと私は想っている。
 
 
それにしても北川と原口・権田のパフォーマンスは低調だった。南野や柴崎もイマイチ輝きが足りない。5試合目でこのレベルでは、日本代表のレベルは低いと思わざるを得ない。とりわけGKの人材不足が感じられる。いったい西川はどこへ行ったのだ?
ほかに有能な選手は見当たらないのかと、ついつい思ってしまう。
 
そして
    「駿馬常にはおれども、伯楽常にはおらず」
 
という中国の格言が、私の頭の中をよぎって行くのである。
森保監督は果たして「伯楽」であるのかどうか、次のイラン戦で答えが出るのではないか・・、と私は想っている。
 
 
 
             
 
 
 
                          

アジアカップ:サウジアラビア戦(2019.01.21) 

 
昨日のサウジ戦は1-0の、結果オーライの試合展開であった。
これまでずっと長い間観て来た、相変わらずの日本代表のアジアカップの戦いであった、という印象が残った。
 
その懸念はスタメンの発表時からあったのだが、やっぱりなの試合で昨年の12月まで維持していた「日本的な攻撃スタイル」は最後まで見ることが出来なかった。
この問題についてはこれまでもたびたび述べているので、それを繰り返すつもりはない。
 
 
日本がこの戦いで勝利した後の、次の対戦相手がベトナムであることは、事前に判っていた。サウジとベトナムでは明らかに実力も経験も格も違う。従ってサウジ戦により強い危機感をもった森保監督は、スタメンを考えたのだろうと思われる。
 
この間、前の試合で高パフォーマンスを示していた「青山の負傷離脱」といったアクシデントがあった。
その点も考慮していたのかもしれないが前線は「武藤・原口・南野・堂安」で中盤が「遠藤・柴崎」守備陣が「長友・吉田・富安・酒井・権田」であった。
 
原口のスタメンは、乾の前試合での70分以降の守備力の不安定さを懸念しての事だろうと思われる。原口の起用はサウジの攻撃に対して、守備面で貢献出来るからだと思われる。たぶん森保監督はリスクを避けたのだろう、それはマァ理解できた。
 
 
ボール保持率が3対7程度であったのは、サウジのこの試合への意気込みが反映していると思われる。現地時間3時スタートの試合であれば、日本チームのこの省エネ展開も理解は出来た。
 
そして得点は、相変わらずボールウォッチャーに成る傾向のある、中東勢の間隙を突いたコーナーキックからの、富安のヘディングであった。練習の成果であろう。
前半戦はこんなもんかと思いながら、個人の突破力頼みの日本代表の攻撃パターンを観ていた。今大会の第1・2戦と同じ戦い方であった。
 
 
後半開始からのサウジの猛攻撃は、H・Tに監督から厳しく言われたことや、ひょっとしたら例のサウジの皇太子からあったからもしれない「飴と鞭」によって、生まれたものかもしれない。いずれにせよ彼らの必死さが伝わって来た。
 
 
私の関心は、どのタイミングで森保監督が前半とは違う攻撃を仕掛けてくるのか、スイッチを入れてくるのかであった。
そして森保監督の選んだタイミングは、快足ウインガー「伊東」の投入時ではなかったかと想っている。あの場面で監督はスイッチを入れたのだと、私は想った。
 
ところがキーマンの柴崎がその監督の意向を感じなかったのか、それとも元々そういう約束事が無かったのか、役割を果たさず機能しなかった。
 
 
私のイメージは、サウジの球を奪取したDF 陣からのボールを受けた柴崎が、ライン際の前線を駆ける伊東にキラーパスを出す、という展開内容であった。W杯ロシア大会ベルギー戦の時に、彼が原口に出したパスの時と同じシーンの再来を期待したのだった。
 
しかし実際にはそうは成らなかった。
総じて今回大会の柴崎のパフォーマンスは充分とは言えないレベルであると、私は感じている。このまま彼に舵取りを任せておいて大丈夫だろうかと、私は想っている。
そのような状況下での「青山の負傷離脱」である。
 
 
次の対戦相手はベトナムであり、さらにその先の対戦相手はイラン(たぶん)であろう。
今回のサウジ戦の闘い方のパターンでは、ベトナムには勝ててもおそらくイランの壁は越えられないであろう。
 
その事を予測した時に森保監督がどのようなスタメンを張り、途中交代で変化をつけてくるのかを、じっくりと見てみようと思っている。そしてその時に彼の監督としての真の力量が問われる事に成るだろうと、私は想っている。
 
次戦は24日のベトナム戦である。
 
 
 
             
 
                DF富安
 
 
 

 
 

アジアカップ:ウズベキスタン戦(2019.01.17)

 
一次リーグの最終戦「ウズベキスタン戦」が昨日行われ、結果は2-1の勝利であった。
個人的にはこの三戦の中で一番見ていて楽しかった試合であった。それはやはり前線の攻撃のスタイルが最もチームとして機能していると思われたからであろうか・・。
 
前二戦はどちらかというと個人プレーで得点を重ねた、といった印象を強く感じていたのであるが今回は、先のW杯でようやく日本サーッカーが掴みつつあった「日本的な攻撃スタイル」が復活した、という印象を抱いたからである。
 
 
今回のメンバーは森保監督にとってはファーストチョイスではなかったようだが、こちらのメンバーの方がチームとしての連動性が高く、成熟度が進んでいるように思えた。
アタッカー陣で言えば「武藤・乾・北川・伊東」の組み合わせは「北川・原口・南野・堂安」より、成熟度や連携が高くチームで攻撃を組み立てている感があった。
 
中盤から後ろも「青山・塩谷・佐々木・槙野」の元広島チームメンバーによるDF陣には、やはり成熟度が感じられた。森保監督の広島時代のチームメイトや彼の薫陶を受けた選手達が、機能していたわけである。
 
 
W杯ロシア大会の時も、当初想定のAチームより当時控え扱いの「香川・乾」の居たBチームの方が、直前の親善試合で好パフォーマンスを示し、その時の好調な選手を本戦でスタメンに起用して、好成績を出したのに似ている状況である。
 
森保監督もスタメン選びに悩まなければならないだろうが、この一次リーグの三試合をしっかり分析して、これからのトーナメント戦を戦ってほしいものである。
監督が見据えているのは当面のアジアカップの成績と、来年の東京オリンピックに向けての育成といったものであろうが、同時に「日本サッカーの攻撃スタイルの確立&定着」であってほしいと、私は期待するのである。
 
次戦は21日のサウジアラビア戦である。その際のスタメンによって、森保監督が何を優先させたか、と同時に一次リーグの分析が的確に行われているかを、しっかりとチェックしてみたいと思っている。
 
 
                        
              
 
 

アジアカップ:オマーン戦(2019.01.14)

 
昨日のオマーン戦は1-0で勝利したが、これは主審によってもたらされた勝利である。
主審が原口の微妙なプレーにPKを与え、長友の腕に当たったボールをハンドと判定しなかったからである。
この判断は彼の日本代表チームに対するリスペクトが、心理的に作用したのではないかと思われる。これをアドバンテージととらえるかどうかは、見解の別れるところであろう。
 
 
さて昨日の日本代表チームである。
私は第一戦の「トルクメニスタン戦」で、現時点の日本代表が抱えている課題を感じていて、それがどのように修正されるのか楽しみにしていたのであるが、スタメンではその課題は修正されていなかったので、その課題を感じつつ試合展開を見守っていた。
 
 
今回のアジア大会のチームは昨年12月までの森保ジャパンとは違うチームであるように私は思っている。
12月までのチームは前線の「トライアングル+大迫」が実によく機能しており、成熟感さえ感じられたものである。したがってボランチより前については全く心配していなかったのであるが、残念ながらアジア大会のメンバーの前線は去年よりはるかに劣っている。
その最大の原因は中島の負傷離脱によっていることは間違いない。
 
 
そのこと自体を嘆いても仕方がないのである。サッカーや相撲には負傷離脱は常に伴う課題だからである。
問題なのはシステムとしての「成熟したトライアングル+1トップ」を、チームのスタイルとして追い求めるかどうかであろう。チームとしての攻撃システムとしてこのユニットを追求し続けるかどうかが、とても大切なのである。
 
この日本人の俊敏性や技術水準に合っていると思われる攻撃スタイルは、身体能力で劣る日本人にとって、世界でも通用する有効な攻撃スタイルだと私は感じている。
先のW杯で、「乾と香川・大迫」がトライしある程度通用したシステムである。
 
 
森保ジャパンに成っては「中島・南野・堂安+大迫」によって継承されたこのシステムは、より高いレベルで機能し昨年の12月には、ほぼ確立したかに思えた。
このレベルのシステムが十分機能すれば、日本代表は次のW杯ではベスト8以上を狙えるだろうと、私は妄想を抱いたものである。
 
しかし残念ながらこのアジアカップの二試合を見る限りでは、森保監督はこのシステムを継続し、日本代表チームとしてのシステムにまで昇華させる意図は無いのかもしれない、と私は感じ始めた。
その象徴が原口のスタメン起用である。残念ながら原口では「成熟したトライアングル+1トップ」は作動しない。
 
トルクメニスタン戦同様、個人の力量で突破し得点しようとしている。南野も堂安も個人で頑張っていたことは認めるが前線のチームとしての連動性や機能は、十分とは言えなかった。結果として原口は得点に絡んだが、あれは棚ボタである。
主審がアラブや中央アジアの出身者であれば原口にPKは認められず、長友のハンドがとられ逆にPKを与えていて0-1だったかもしれない。
 
ベンチに「成熟したトライアングル+1トップ」システムを継承する選手がいないのであれば仕方ないかもしれないが、乾を追加招集しているのである。
現在の「個人による前線突破や得点」を期待するシステムでは、日本代表がこの大会で優勝するのは難しいのではないかと、私は想う。そして何よりも次のカタールW杯への期待感が拡がらないのである。
 
そのような危惧を抱きながら昨日の試合を見ていた。
次のウズベキスタン戦で、森保監督がどのような攻撃システムを組んでくるのか、見守りたいと思う。
 
 
 
                   
 
 
 
 

アジアカップ:トルクメニスタン戦(2019.01.09)

 
今日の戦いのスコアは、ご存知な通り3-2での勝利であった。
FIFAランクを信ずれば4-0ぐらいでもおかしく無かった対戦相手である。
しかし結果はご覧のとおりであった。
その原因は一言でいえば、日本の選手達が相手を舐めて掛かった、ということだと思う。
選手達があまりに個人プレーに走りすぎ、個の力で相手を崩せると思っていたようだ。
 
日本チームの強みは、チームプレーで相手を翻弄して崩し、その隙を突いて得点するパターンである。日本人の身体能力は言うまでもなく外国の選手には劣る。本気で人数をかけ守備を固めてくる相手に、真正面で個人が立ち向かっても勝機は少ないのである。
それは相手がベルギーだろうがアルゼンチンだろうが韓国だろうがトルクメニスタンだろうが同じなのである。
そのことを選手たちは忘れていたようだ。
 
 
私はハーフタイムに森保監督がその点を、どう修正して来るのかじっと観ていたのだが、後半早々はその効果が多少は見られたようだ。
しかし立て続けに2点入れ、堂安選手の個人プレーで加点してまた元に戻ってしまった。
そして元に戻ってしまったために吉田は危うくオウンゴールをやりかけたし、相手にPKを与えてしまった。まだまだ完成度が十分とは言えない・・。
 
昨年の秋はかなり良くなっていたと感じたが、まだまだなのだろう。
今回は中島が欠けたことも大きいのかもしれないが、トップ下の三人の連携がほとんど見られなかった。
原口の投入が良くなかったのかもしれない。日本的な戦い方を踏襲するのであれば、ここはやはり乾で行くべきだったのかもしれない、などと想いながら観ていた。
 
次のオマーン戦で森保監督がどう修正するのか、じっくりと見ていきたいと思う。
 
 
 
 
             
 
 
 
  
 

親善試合:キルギス戦(2018.11.20)

 
今年最後の日本代表の戦いが昨日愛知県のグランパスのHOMEで行われた。
結果は4-0の快勝で、キルギスの力量からすれば妥当な結果であった。
昨日の試合の位置づけは、控え選手に出場機会を与える事や彼らの実力を試すなどのモチベーションUpや、戦力のチェックといった点にあったのではないかと思われる。
 
また年明けのアジアカップを見据えて、一次リーグで戦うウズベキスタンの隣国という事もあって、今回のパートナーを対戦相手に選んだのかもしれない。
 
 
いずれにしても昨日の試合で確認できたことは、「大迫-中島-南野-堂安」のレギュラー陣と控え選手との間の力の差であったかと思う。
しばらく前線はこのユニットで戦う事が日本代表の第一選択肢となることは間違いない、であろう。
 
してみると控え組の選考基準は、このユニットの構成員の交代要員としてどれだけ相応しいかどうか、ではなかろうかと思われる。
試合中のアクシデントや過密日程による選手の疲労対策、ターンオーバーといった事を考えながらの、選手セレクションが行われるのではなかろうか。
 
 
 
それにしても後半10分過ぎの前線メンバーのユニット交換で、それまでのチームとは別のチームに成ってしまった事が、現在の日本代表の置かれている状況を如実に現わしていた。
先週のベネズエラ戦辺りから感じ始めていたが、この前線ユニットはすでに成熟の域に達しつつあるのではないか、という事だ。
組み合わせの妙はもちろんだが、メンバー間の連携や相性の良さもかなり密度が濃いように思える。
 
アジアカップでこのユニットがどのような働きをしてくれるか、とても楽しみである。
森保監督のこれまでのマネジメントや監督としての資質に、欠落を見出すことは現時点では無さそうである。
 
Wカップロシア大会で確認出来た日本代表の戦い方を継承し、敷衍(ふえん)していることが今後の日本サッカーにとって、大きなターニングポイントに成るように思える。
しばらくはこの成長のプロセスを楽しみたいと、そう思っている。
振り返った時に、2018年は日本代表にとって大きな意味を持った年に成るかもしれない、と感じている。
 
 
 
 
        
 
 
 
 
 

親善試合:ベネズエラ戦(2018.11.16)

 
昨日九州大分で、森保ジャパンの四試合目の親善試合が南米ベネズエラを相手に行われた。
結果は1-1の引き分けであった。
前回のウルグアイ戦に比べ、選手も監督もリラックス感が漂っていてある種の緊迫感は感じられなかった。
 
相手チームのレベルの問題もあるが、森保ジャパンも四試合目という事でいろんな意味で慣れて来ているのだろう。
 
 
森保監督自身終始笑顔が絶えず、精神的な余裕感が漂っていた。
選手達も同様で、スターティングメンバーの間ではこれまでの経験が積み重ねられていて、成熟期に向かっているかのような、連携ぶりであった。
とりわけ攻撃的な前線の4人にはそのような印象が漂っていた。
 
この4人の年齢やキャリアを考えると「東京オリンピック」や「次のW杯」においては、ある程度期待しても良いのではないかと、そんな風に想える関係性やプレー内容であった。
 
DF陣にも新しい戦力の登用が見られ、これまでのメンバーに感じられた不安定感がある程度払拭されつつある事を感じることが出来、これからのDF面での充実を期待することが出来た。
 
 
今後の課題と言えば、終盤に成って投入された前線メンバーの交代要員であろうか・・。
スターティングメンバーの成熟度に比べ、交代メンバーはまだまだ組織として機能しているとは言えなかった。初召集のメンバーが多かったことも起因していたのかもしれない。もう少し様子を見てみる必要があるだろう。
 
現時点では、新戦力の発掘といった面が前面に出るのは仕方がないとは思うが、終盤での投入メンバーにはそれまでの流れを変える働きを期待したいものである。
 
 
いずれにしても、これまで20年間ほど代表チームを見てきたが、現在の森保監督が一番ストレスを感じることなく観ていることが出来る。
 選手の登用に関しても、交代要員にしてもである。実に選手の事をよく観ていて個々の選手の特徴や能力の良し悪しを、的確に判断している様に思われるからである。
更に決して目先の結果にこだわらず選手を選び、構成している様にも思える。中長期的な視点と目の前の視点とが複眼的に併存している様に感じられるのである。
選手の育成や成長についての考えもまた、監督の視野にはしっかり入っている様に私には思える。
 
しばらくは森保監督の采配を注視し続けたいと思っている。
そして年明けのアジアカップがその試金石に成るであろう・・。
 
 
 
 
                  
 
 
 

 
 
 

親善試合:ウルグアイ戦(2018.10.16)

 
 
昨日森保体制に成って3試合目の親善試合が埼玉で行われた。
結果はご存知な様に、4-3で勝利した。ウルグアイはこれまでの「コスタリカ」や「パナマ」と比べ、数段レベルの高いチームだったので試合をとても楽しみにしていた。
 
DFは粘り強く、FWもカバーニを軸に力強いチームであった。
南米でもブラジル・アルゼンチンにルづく古豪と云って良いチームである。FIFAランキングも一桁台で実力のあるチームでである。
 
森保ジャパンはこれまでのコスタリカやパナマといった中堅のチームに、いずれも3-0で勝ってきただけに、この強豪を相手にどこまでやれるか、高い関心を以って観戦した。
 
 
今回の試合で3試合目であるが、森保監督のチーム編成はかなり慎重に検討されており、同時に明確なビジョンを持っている様に、私には思えた。
若手とベテランの融合にしても、国内組とヨーロッパ組の組み合わせにしても無理なく、構成されており一部のメンバーに負担を強いる事も無く、時差ボケなどへのケアもしっかりできている気がする。
 
これまでの代表監督の中では一番ストレスを感じることがなく、安心してメンバー構成を見ていられたし、試合での交代要員も的確だなと思いながら安心して観ていられた。
昨日は3-2くらいで勝負がつくかと思ったが、結果的には4-3で終わり若手中心の攻撃陣が実によく機能していた。観ていて愉しい試合展開であった。
 
 
課題があるとしたら、やはりGKかなと思っている。東口自身は何回か好プレーを発揮していたが、やはり世界で通用するには力不足であろう。
負傷欠場しているレイソルの中村の復帰が待たれることと、仙台のGKが控えで招集されているが、彼の実力を試合の中で見てみたいものだ。と思っている。
 
若く才能のあるGKの出現を、大いに期待している。
昨日の失点にしても1・2点は防げた、と私は思っているからだ。
 
 
                   
 
 

親善試合:パナマ戦(2018.10.12)

 
 昨日の親善試合「パナマ戦」は、森保新監督にとって日本代表のAチームを率いて二試合目の試合であった。結果は前回同様3-0と快勝であった。
現時点でのチーム作りや戦い方としては、大きな課題や綻びが無かったことはそれなりに良かったのだと思う。
 
 
今回の招集メンバーや先発メンバーの構成を見ていると、森保監督の若手の起用や中堅・ベテラン選手との組み合わせ方や、国内組と海外組との融合・バランスはそれなりにうまくいっている様に思える。
 
 
ザッケローニやハリル監督の時に感じたようなストレスや懸念は今のところ見られないし、それを感じる事も無い。まだ二試合目だから当然といえば当然かもしれないのだが・・。
森保監督はそう言う意味では、来年の「アジア大会」や再来年の「東京オリンピック」を見据えながら、危なげなくチーム作りをしている様に感じられる。
 
もちろんだからといって、昨日の試合が完全無欠であったわけで無いのは言うまでもない。攻撃の単調さ、とりわけ司令塔のボランチ青山への依存度の高さや、相手の布陣の変化を見てからの攻撃パターンの修正、創造的な攻撃スタイルへのチェンジ・切り替えの必要性という課題はあった。
 
DF陣も再三得点機をパナマに許していて、ヒヤリとさせられる場面も何回かあり、安心して観ていられたわけでは無かった。
しかし森保監督自身、試合後のインタビューで、昨日の試合結果に対して決して満足や慢心しているわけでは無く、冷静に自チームの課題を認識し分析しているようであった。その点は安心して良いように思われる。
 
 
そう言った点も含めて監督としての彼への評価や信頼度は、現時点では高い。
しかし来週の対戦相手ウルグアイは、FW陣もDF陣もパナマやコスタリカよりも一枚も二枚も上である。
今回の日本代表のような攻撃やディフェンスでは通用しないだろうし、攻守にわたる課題がよりはっきりクッキリするであろう。
そういう意味では、よい対戦相手だと思われる。
 
ウルグアイという強豪国に対して、森保監督がどのようなメンバーを起用し、今回の試合で感じた日本代表の課題をどのように修正していくのか、とても楽しみである。
しばらくは森保監督の手腕を見てみようではないか・・。
 
 
 
                   
 
                                                      
 
 
 

親善試合:コスタリカ戦(2018.09.11)

 
先日のキリンチャレンジカップ「コスタリカ戦」は、森保新監督にとって日本代表のAチームを率いて初めての試合であった。
 結果は3-0と快勝で、監督本人も日本サッカー協会も安心している事だろう。
 
森保監督は先月のアジア大会でもU22世代を導き準優勝という結果を出しているから、おおむね現時点ではその職責を果たしているといってよいだろう。
私自身はロシアW杯が終わって半年もたたない時点で、A代表の監督に結果や成果を求めるのはどうかと思っているから、3-0という結果に大きく反応はしていない。
 
 
私が注目して見ていたのは監督の選手起用の仕方であり、チームとしてどのような戦い方を目指しているのかを注視しながら観戦していた。
当初スターティングメンバーを聞いて、出身母体の広島びいきかと思ったが試合を見ていて気が変わった。
 
 
今回のチームに関しては、中盤より前については殆ど問題を感じなかった。細かなパスをつなぎながら相手のDFを翻弄し、最後はシュートに向かう展開はとてもよく機能していたと思われる。W杯ロシア大会でも見れた日本的なサッカーのスタイルの継承が、見て取れた。
メンバー間の連携もスムーズで、リオのオリンピック世代の関係の成熟がうかがえた。
 
課題は相変わらずのDF陣で、守備的ボランチの青山を初め槙野・東口といったベテランや佐々木という広島の選手を使って来たのは、森保監督のDFに対する哲学や考えを理解しているから、彼らを採用してきたのだなと、思うようになった。
森保監督自身、自分がよく知っているメンバーを使う事で守備を安定させ、安心したかったのだろうと、納得した。
 
 
そう言う意味では、この監督は現在の日本代表の中堅選手達の強みや弱みを、冷静に見ておりかつ自覚していることも判った。
その意味では今回の監督のゲームに対するプランや、彼の思考方法が判って安心はした。
相手を崩しての3得点という結果も、よかった。
フラストレーションの少ない試合内容だった。しばらくは森保監督の監督としての力量をおとなしく見続けていたいと思っている。
 
 
これから格上のチームとの戦いをたくさん経験し、自らの強みと弱みをしっかり自覚し、そこから修正を加え成長して行ってくれることを期待したい。
とりあえずは東京オリンピック。
そしてその先には次のW杯が待っている。その開催場所がカタールであるかどうかは別にしても、である・・。
 
 
 
 
                                            
 
 
  
 
 
 
 
 
 
 



〒089-2100
北海道十勝 , 大樹町


 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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